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消える地場スーパー、崩れる岩盤

日本経済新聞より。
消える地場スーパー、崩れる岩盤

地場スーパーが2000年代半ば以降、数を減らしつつあるようです。
以前の記事で日本の消費文化の特徴として
・食べ物の「鮮度と多様性と旬」を評価する
・食への繊細な好みを背景にブランドが食を支配する
を挙げていますが、このことによる食文化の地域性の違いの受け皿として地場スーパーが
あったのではないかと思います。もっと前は商店街にある八百屋・魚屋などの個人商店だったのでしょう。
個人的にも地方に住んでいると独特の食文化があり、イオンなどの国内全域に展開しているチェーンでも
スーパーのテナントや売り場の一角にはその地域の商店が出店しており、地場ものを
扱っていることが良くあります。
ですが、先に述べたようにそのような地域密着型のスーパーも数を減らしているようです。
背景として、インターネットの普及によりどこでも欲しいものが買えるといった状況が一因としてあると
記事では述べられています。流通網の拡大・輸送方法の改善などにより、どこにいても日本中のものが
簡単に手に入るようになりました。
それは決して悪いことだとは個人的には思いません。
日本のどこにいても同じような生活が送れるというのは素晴らしいことだと思います。
とはいえ地場スーパー凋落の一因としては無視できなさそうです。
そして地場スーパーの消滅がもたらすものは働く場・消費の場としての
地域への帰属感の消滅だと記事は指摘しています。
このことにより、従来からの政治的な地場が大きく揺らいでおり、政治と生活の直結感が薄くなることで
政治離れが起こると論じており、面白い着眼点だと思いました。

明日は参院選。改めて政治と経済の問題について良く考え、自分が持っている選挙権の行使を
行いたいと思います。

当ブログ関連記事:
「文化の壁」を超える、超えない?


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 「小泉劇場」で自民党が大勝した2005年衆院選、2年後の参院選では小沢一郎氏の民主党が大勝――。ここ数年の国政選挙は、勝者と敗者が極端に入れ替わる。人口が減り、過疎は進む。常識として語られてきた各党固定の支持基盤は崩れているからだ。その象徴のひとつが、地域に根ざした地場スーパーの消滅だ。

■薄れる利害、政治的無関心に拍車

無党派層が増える流れは都市部だけでなく全国共通だ

無党派層が増える流れは都市部だけでなく全国共通だ
 1963年に1号店を出し、福井県の有力スーパーの「ユース」。地域に密着し、福井の買い物の顔でもあったが、今秋にも50年の歴史に幕を下ろすことになる。

 ユースは後継者問題もあり、2005年に岐阜のスーパー、バローの傘下に入った。当初は「ユースの知名度は高く、のれんは残す」(同社幹部)予定だったが、店舗仕様や情報システムを統一し、福井や隣県の石川県で出店を加速させるためだ。

 日本国内は食など地域性が強く、ブランドを扱う百貨店は衰退しても、地場スーパーの業績は2000年代半ばまで比較的堅調に推移していた。だが近年、人口減やデフレの影響などを受け、この構図も崩れつつある。価格競争の激化から業界再編が進み、地場スーパーがなくなる地域も増えている。


 劇的に変化する経済、産業構造はいや応なく人々の政治意識にも影響する。
政治への関心度は有権者の利害の大きさに比例する。有権者は建設や製造業、労働組合など自らが属する企業や団体に優位に働くと見る候補者に一票を投じる。
だが日本経済をけん引してきた輸出や公共工事関連の産業が低迷し、雇用の受け皿としての力を弱めるとともに選挙の効果が低下してきた。

 いまや最大の雇用の受け皿は就業者の約70%を占めるスーパーやコンビニエンスストア、外食など第3次産業だ。一般的に小売りやサービス業は政治的には中立で、組合の加入率も低い。おのずと政治意識は薄れるわけで、無党派層が増える流れは、もはや都市部だけでなく全国共通だ。

 地場スーパーの消滅は政治的無関心に拍車をかける象徴といえる。地元企業であれば、利用者も就労者も地域への帰属感があり、政治意識も残る。だが地方都市でも働く場や買い物の場が全国チェーンが中心になると、一段と政治的な土壌から切り離される。

■若者と選挙の「円満離婚」

 とりわけ若者の政治離れは深刻だ。高齢者であれば、年金や社会保障の問題は切実で、選挙への関心も強い。候補者もこの点に絞って激しく訴えるケースが多い。
だが若者は身近な問題として政治をとらえられず、投票率は低下する。

 実際に20歳代の投票率は圧倒的に低い。過去20年間の参院選の動向を見ても60から70歳代が60~70%で推移するのに対して、30%台とほぼ半分となっている。

 電通若者研究部の吉田将英研究員は「若い世代にとって自分の人生や生活と政治は直結していないし、政治の側も高齢者向けのマーケティングを進める以上、そうなる」と指摘する。吉田氏は「お互いが無関心になるわけで、そこに利害の対立があるわけではない。円満な離婚が進むだけ」とも言う。

 豊かさの象徴として成長してきた地場スーパー。消え去ることに年配の買い物客は郷愁を覚えるが、若者はそうでもない。あたり前だが、モノはスマートフォンでもネットでもどこでも買えるからだ。参院選もそんな構図の中、実施されることになる。

(編集委員 中村直文)

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