【抜粋記事】炭素繊維メーカーが成形技術に積極投資し始めたワケ

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炭素繊維メーカーが成形技術に積極投資し始めたワケ

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三菱ケミのSMCを骨格部材に使ったバックドア

東レ、帝人、三菱ケミカルの国内炭素繊維メーカーが「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)」の成形技術開発や高度化に積極投資している。中国などの新興勢力が炭素繊維の生産を拡大する中、炭素繊維のみを川下に販売する、これまでの“糸売り型”のビジネスモデルでは長期的な収益低下が避けられないためだ




「品質はそれほど高くないが、新興勢力の市場参入や規模拡大は脅威だ。特に生産過剰による炭素繊維の価格下落を危惧している」


国内メーカーは炭素繊維の供給量で約70%の圧倒的な市場シェア


国内メーカーがCFRPの成形技術の開発を急ぐのは、競合の弱点分野を強化し、航空機や自動車メーカーなどCFRPの需要家に対する素材提案力で引き離す狙い


これまでCFRPの成形技術開発は、プリプレグ(炭素繊維に樹脂を含浸した半硬化状態の中間材料)を製造する「プリプレガー」や、プリプレグを積層・熱加圧するなどしてCFRPに成形する部品メーカー、知見を持つエンジニアリング会社がリードしてきた


特に、炭素繊維を加工し川下に販売するプリプレガーは設備投資も比較的小さく、炭素繊維のサプライチェーンにおいて、厚めの利益を得てきた


CFRPの部材や製品事業では高付加価値分野への参入に注力してきた欧米企業に分があり、国内メーカーのシェアは20%以下にとどまる



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最大手、東レの戦略は明快。豊富な開発資金を生かして、CFRPの成形技術を総合的に研究する方針で、「全ての加工技術を検証し、どの成形が主流になっても対応できるようにする」


東レが強化する分野の一つ「フィラメントワインディング(FW)」は、樹脂を含浸した炭素繊維を型に巻き付け、硬化させる成形方法



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東レがFWで成形したプロペラシャフト用CFRP部材

三菱ケミカルは自動車に照準を合わせ、CFRP成形技術の開発を進める


同社は価格競争力に優れる高物性の汎用炭素繊維が強み


同社のシート・モールド・コンパウンド(SMC)は、長さ数センチメートルに切った炭素繊維を含む樹脂シートを積層し、プレスで硬化する成形方法


成形サイクルが短く、金属素材が優位性を持つ複雑形状にも対応可能だ。現在、愛知県豊橋市にSMCでは世界首位の年産3000トンの生産設備を保有し、ドイツの新プラントも17年中に稼働



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帝人がセリーボで試作した自動車構造部材(フロントバルクヘッド)

帝人は炭素繊維と熱可塑性樹脂を使った複合材料(CFRTP)「セリーボ」の開発を推進し、独自色を打ち出す


あえて主流以外の開発に注力し、CFRP開発で先行するプリプレガーなどを一気に追い抜く狙いのようだ



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