【抜粋記事】車載で停滞を脱するパナソニック 21年度に世界トップ10入りへ

電子デバイス産業新聞
車載で停滞を脱するパナソニック 21年度に世界トップ10入りへ

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パナソニックの業績が停滞期を脱しようとしている。数年来注力してきた車載事業が実を結び始め、新製品の納入・販売がこれから本格的に拡大する見通し


車載製品の売上高は2018年度に2兆円の目標を掲げてきたが、すでに受注率は90%以上で、達成が十分に視野に入っている。18年度以降も継続的に事業拡大を進め、21年度には売上高2兆5000億円、自動車部品メーカートップ10入りを目指す




津賀社長は12年に就任して以来、プラズマディスプレーからの完全撤退やヘルスケア事業、半導体事業の合弁事業化などの事業構造改革を矢継ぎ早に進めてきた



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12、13年度に大規模な事業構造改革の実施に伴う損失を計上して以降、14年度からは純利益は増益基調が続いているが、売り上げの伸び悩みは津賀体制の経営課題となっていた


車載製品における取り組みは着実に進めており、成果がなかなか顕在化しなかったのは、ある程度想定されていた事態


車載製品は採用獲得から量産化まで数年のタイムラグを要するからだ


17年度からは大型案件の納入が本格的に始まる予定で、車載事業は高成長期に移る。津賀社長は「車載製品は納入開始後に3~4年は売り上げ、利益が続く。新たな案件を順次進めているので、18年度以降もさらなる成長を目指す」と述べ、今後の成長に対する強い意欲を示した



AIS社は18年度に売上高3兆900億円(16年度比約28%増)、営業利益1600億円(同72%増)の事業目標を掲げているが、うち車載製品で2兆円(同約54%増)の売り上げを目指している



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車載製品は快適、安全、環境の3分野に大別


快適分野はIVI(In Vehicle Infotainment)やコックピットなどの機器で、18年度に6300億円の売り上げ目標を掲げる。17年度からJAGUAR LAND ROVERの「Range Rover Velar」に新コックピットシステムの納入を開始するなど、新規システムの受注が順調に拡大している


安全分野はカメラ、ソナーなどのデバイスを核とし、画像処理技術などと組み合わせたADASとして展開する。将来的にはパナソニックグループ内外で協業し、自動運転関連技術の開発も視野


環境分野は車載リチウムイオン電池(LiB)のほか、コンデンサーやリレーなどを含む。主力はLiBで、16年度末現在で50車種に納入済み、18車種向けを受注済みで、20車種向けの案件を推進中


角形LiBは17年度に洲本工場(兵庫県洲本市)で2本目のラインを増設し、年度内に中国大連工場で量産開始を予定するなど能力増強を進めている。米テスラと協業している円筒形LiB生産も車両増産に併せて増強する方針



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今後多彩な製品の拡大が見込まれているとはいえ、当面の主力になるのはLiBだ。パナソニックの車載LiBは日本、中国、北米の3拠点体制で展開されているが、形状は角形と円筒形の2種類


円筒形はテスラに独占供給しており、17年初頭には両社が協業してネバダ州で建設していた「ギガファクトリー」が稼働


角形は現状ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド(PHV)に採用されている


将来的にはEVへの採用を獲得できるかがカギ


EVへの設置スペース効率では円筒形が優れているとパナソニックは主張しているが、現状ではテスラ以外への広がりが課題


電池の供給は今後拡大されるものと想定されるが、テスラEVの販売を巡っては計画の実現性への疑念がたびたび浮上しており、動向には注意が必要


もう1つ、車載LiB事業の今後の課題と考えられるのが、欧州市場への対応


津賀社長は将来的な欧州における車載LiB工場の新設を示唆した。欧州の自動車メーカーがHVやEVに注力する姿勢を強めていることが背景で、消費地生産の観点から事業拡大には現地生産が必要になるため


だが、国内、中国、北米でそれぞれ能力増強を進めている状況下では割けるリソースがないのが実情で、欧州工場に着手できるのは20年以降になる見通し


欧州市場ではパナソニックの競合である韓国サムスンSDI、LG化学が車載LiB工場を建設しており、現地生産での出遅れは否めない。パナソニックは欧州自動車メーカーとのLiB取引実績を持っているものの、現地生産を武器に攻勢を強める韓国メーカーとどう対峙していくかが問われる


AIS社が所管している半導体、液晶パネル事業。両事業はパナソニックグループ内においても「収益改善事業」と位置づけられており、業績低迷が続いている


「半導体はADAS用SoC、液晶は電子ミラーなどのツールとして重要であり、内部に持っておく意義はある」



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