【抜粋記事】集約進むタッチパネル市場、生き残りの鍵は2つ

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集約進むタッチパネル市場、生き残りの鍵は2つ

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IHS Markit テクノロジー 主席アナリストを務める大井祥子氏に聞いた




タッチパネル産業は元々、技術的に参入障壁が高くない産業といえる。古い液晶用カラーフィルター製造装置をタッチパネルのガラスセンサー製造に転用でき、初期投資が低く抑えられるなどの点で、タッチパネル市場が立ち上がる時期からさまざまなメーカーが参入を果たしてきた


タッチパネルが依存するスマートフォン自体の成長が頭打ち状態に近づいてきたために、タッチパネル市場全体にも影響が及び、成長率が低下している


これまで以上にタッチパネル市場はコスト重視の市場になっている


タッチパネルメーカーの淘汰(とうた)が進んで行くことになる


既に、タッチパネル事業の不振だけが理由ではないが、2014年にタッチパネル最大手を争うメーカーの1社だった台湾のWintekが倒産している。最近でも台湾のTPKと中国のO-filmという最大手クラスの2社が資本提携を結ぶなど、最大手も含んで市場の集約が進んでいる


整理、集約が進むタッチパネル市場で生き残って行くためのカギが2つある


1つは、自動車向け


UIの1つとして、タッチパネルの導入が検討され始めている


タッチパネルは成熟した技術であり、的確に意図を入力できるデバイスになっている。供給量も申し分ないのだが、自動車メーカーは、モニターへの直接操作は運転上、危険であるとしてタッチパネルの採用を避けてきた


タッチパネル付きの車載モニターが一部で登場すると、タッチパネルなしのモニターは見劣りするという状況にあり、各自動車メーカーはタッチパネル搭載を進めていくと予想している


ユーザーはスマートフォンの静電容量式に慣れ、“タッチパネル=静電容量方式”という図式ができており、車載分野でも静電容量方式が普及するとみている


もう1つのカギは、タッチパネル形状を変化させる技術、フレキシブル技術


タッチパネルにも、さまざまな形状に対応できるフレキシブル技術が求められるようになる。まずは、曲がった形状が求められ、最終的には曲げ伸ばし、折り曲げに対応する技術が求められていくだろう


最初の用途は、やはりスマートフォンになる。そして車載用途もフレキシブル技術を求めるだろう。車載モニターは大型化傾向にあり、内装と合わせるためにはある程度、緩やかにカーブさせたタッチパネルが必要になってくるだろう


1つはカバー材料。フレキシブル、複雑形状になると従来のガラス材では加工しにくくなるので、プラスチック材の採用が増えるだろう


今後、ガラスをプラスチックに置き換えていくには、なるべくガラスに近いプラスチックを開発する必要がある。ただ、ガラスに近づければ近づけるほど、加工性が悪くなるという課題を抱えており、このバランスをどううまく採るのかが重要になってくるはず


ガラス材も、もう少し曲げに強いものや、耐スクラッチ性に優れるもの、薄くて強度のあるものといった付加価値を持つ新しい材料を開発し、プラスチックに対抗することも予想される


タッチセンサーは、インセル、オンセルといったディスプレイ組み込み型を除けば、ガラスセンサーとフィルムセンサーに大別される。これまでは比較的ガラスセンサーが、ハイエンド側で使用され、フィルムセンサーはローエンド側で使われるという構図だった


こうした状況下で、フィルムセンサーがフレキシブル化に対し、新しい付加価値を得つつある


これまでのようにどこのメーカーでも作れるわけではなく、フィルム基板をPET(ポリエチレンテレフタレート)からCOP(シクロオレフィンポリマー)に置き換えたり、ダイヤモンドパターンを使い層数を2層から1層に削減したりした、高機能なフィルムセンサーを実現する必要がある


インセル、オンセルもフレキシブルに対応できる有力な技術ではあるが、これまでリジッドでできていたことも、フレキシブルでは途端にできなくなる制約も生じる見込みで、全てがインセル、オンセルとはならずに、フィルムセンサーとの共存状態が続くのが現実的とみている



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タッチパネルの総出荷枚数予測 出典:IHS Markit テクノロジー

車載向けタッチパネルでは、やはり、車載特有の耐久性が求められる。高温低温対応、ヒートサイクル耐性、耐湿性、耐紫外線性などの面で技術的イノベーションが要求される


自動車メーカー側との信頼関係を構築しておくことが重要


スマートフォン向けタッチパネルに求められる新たな機能としては、3Dタッチ対応やアクティブペン入力対応とともに、指紋認証機能が挙げられる


現状、タッチパネルの用途内訳は、約80%がスマートフォン、約10%がタブレット+ノートPC。自動車向けは現状2.6%で、これが4~5年後に3%に達する予測見込み。市場全体の成長率は、今後4~5年間で年平均3~4%の成長を見込んでいる



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