【抜粋記事】予測不能の有機EL時代の到来 ~ 2017年最大の注目点

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予測不能の有機EL時代の到来 ~ 2017年最大の注目点

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スマートフォン向けの有機ELディスプレイが2017~2018年におけるディスプレイ市場最大の注目点になっている




中小型の有機ELディスプレイの世界シェアは、Samsung Display(サムスンディスプレイ)が95%超を握り、独占状態を築いている状況



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2016年における携帯電話機用有機ELディスプレイメーカー別シェア 出典:IHS Markit テクノロジー

有機ELディスプレイでのSamsungの独占が、スマートフォン市場の競争原理に大きなひずみを生じさせている状況


われわれの予測で1つはっきりとしているのは、いろいろなディスプレイ製造装置メーカーの動向やディスプレイメーカーの投資計画から、有機ELに対する投資が非常に強く動いており、従来の液晶から有機ELへの切り替えは進んで行くということ


蒸着方式は機械加工に近い処理を行うのだが、その処理ノウハウ、処理装置開発に関してはSamsungが独走しており、競合のディスプレイメーカーが追いかけようとしても、そう簡単に追い付くことはないだろう。だからこそ、Samsungが95%超ものシェアで独占している


Samsung以外のディスプレイメーカーを見ると、台湾のAUOが本当に細々と、足かけ10年ほど、地道に有機EL開発を行ってきているが、そのAUOですら生産量としては増加してくる気配がない


LG Displayも中小型として、Apple Watch向けに供給を行ってきているわけだが、Appleのスマートフォン、iPhone用に供給できるかというと、どうも非常に難航しているようだ


Samsungとそれ以外のメーカーの技術的な差は、10年分とあると言って良いだろう


有機ELの良さは、フィルムタイプのフレキシブルな基板を使用できるという点にある。Samsungが2017年4月に発売した有機ELディスプレイ採用スマートフォン「Galaxy S8」を見れば分かるように、“ディスプレイを折り曲げられる”という部分


液晶でもいいのじゃないかという揺り戻しが起こる可能性は十分にあるとみている



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中小型アクティブマトリックスディスプレイ 技術別出荷予測 出典:IHS Markit テクノロジー

仮にAppleが年間2億台の有機EL搭載スマートフォンを提供するならば、有機ELの生産能力は、年間3億台分ぐらい必要になる


おそらく、SamsungとAppleでSamsung Displayの有機ELの奪い合いが生じることになる。そこに、他のスマートフォンメーカーが入り込む余地は一切ない。だから、有機ELを調達できないという混乱も生じるだろう


おそらく、年末には有機ELディスプレイを巡って大きな混乱が起こるだろう


中国のディスプレイメーカーは、有機ELに向けて巨大な投資を実施している。その投資規模は、需要の2倍ともいえる供給能力が備わるような規模


先端の有機ELは提供できないだろうが、ミドルエンド以下のディスプレイを提供できれば、ハイエンドスマートフォン以外のボリュームゾーンのスマートフォンの画面を中国ディスプレイメーカーが有機ELに置き換えることは十分にあり得る



ジャパンディスプレイは、「FULL ACTIVE FLEX(フルアクティブ・フレックス)」という液晶でも有機ELの利点であるフレキシブルを可能にする技術を2018年に実用化する見込みだ。この技術で、Samsung、有機ELに対する対抗が予想される



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2017年1月にジャパンディスプレイが開発を発表したプラスチック基板を用いた5.5型フルHD液晶ディスプレイ「FULL ACTIVE FLEX」 出典:ジャパンディスプレイ

AppleとしてもSamsung Displayの対抗軸としてジャパンディスプレイにさまざまなアプローチを行っているという想像は難くない。ジャパンディスプレイとしても、有機ELに自前で製造ライン投資を行わないと明言している。裏を返せば、従来通り、Appleからの前受金が有機ELに対しても受けているということであり、Appleのために投資を進めているはず


シャープはどちらかというと、中小型市場で有機ELと対峙(たいじ)するよりも、鴻海グループとしてメリットを打ち出しやすい大型へ軸足を移しているように見える


中小型ディスプレイ市場、スマートフォン市場ともに、全く先が読めない。1つはっきりしているのは、Samsungが絶対的に優位だということ



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