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炭素繊維のコスト削減 三菱ケミカル、量産車に採用促す

日本経済新聞
炭素繊維のコスト削減 三菱ケミカル、量産車に採用促す

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三菱ケミカルは次世代の炭素繊維複合材を開発したとしています。
2種類の材料を組み合わせて、部品の成型にかかる時間を最短2分に短縮。
従来の複合材と比べて生産コストを半減できるため、高級車が中心だった炭素繊維複合材の
量産車への採用拡大につながるとしています。
欧米の自動車メーカーに試作品の供給を始めており、米国では新工場を建設。
2020年に10車種での採用をめざすとしています。


三菱ケミカルが開発したのは、2~3センチメートルに切った短い炭素繊維を樹脂のなかにちりばめた
中間材料に、織物状の炭素繊維を組み合わせた複合材料。中間材料は軟らかく金型の隅々に行き渡りやすいため、
プレス機で短時間で加工できるとのこと。
炭素繊維を短く切ることで落ちる強度を、織物状の複合材で補強するとしています。

炭素繊維複合材は鉄と比べて6~7割軽く、自動車の燃費性能を高めるのに欠かせない材料とされています。
ただ、数メートル単位の長い繊維だけを使う従来工法は成型時間が10分近くかかり、量産性の低さが課題でした。
複雑な形の部品だと成型時のムダも多く、製造コストがかさむ要因になっていました。

三菱ケミカルは短い炭素繊維を使う複合材に力を入れており、日本に年3千トン、欧州に年1千トンの工場を保有。
18年には約10億円を投じて、米国にも数千トン規模の工場を建設する方針です。
今年3月には同複合材の設計技術を持つ、米国のベンチャーも買収しています。

炭素繊維は鉄やアルミと比べて加工コストがかさむため、主に販売価格が500万円を超える高級車に
採用されてきました。三菱ケミカルの新加工技術が広がれば、300万円前後の価格帯のクルマにも
構造部材として使いやすくなるとのこと。

調査会社の仏JECグループは各社の技術開発が進むことで2016年に13万5千トンだった自動車向け
炭素繊維複合材の市場が20年に8割増の24万トンになると予測しています。

炭素繊維は糸の段階では東レ、帝人、三菱ケミカルの3社合計で世界シェア6割を握っています。
ただ炭素繊維と樹脂を組み合わせた複合材や、部品に加工する技術では欧州企業に分がありました。

日本勢は海外メーカーを買収し、糸の「川下」にあたる複合材の加工技術を取り込もうとしています。
帝人は今年1月、自動車向け複合材を手掛ける米コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)を
840億円で買収。東レもイタリアなどで炭素繊維をシート状の複合材に加工する企業を買収しています。

炭素繊維複合材は米ボーイングの「787」など航空機では主要材料の地位を得ていますが、
自動車向けは黎明(れいめい)期で炭素繊維メーカーと樹脂メーカーが入り乱れた競争状態にあります。

ガラス繊維と樹脂の複合材を手掛ける三井化学は今春、傘下の金型メーカーと組んで炭素繊維複合材を
提案する体制を構築しています。加工法まで教えることで、5年後をめどに自動車向けの販売を3倍に増やすとのこと。
独化学大手のエボニックは三井物産や同社が出資する独設計会社と組み、日本の自動車メーカーへ
炭素繊維複合材の営業を始めています。東レも名古屋市にある研究所で、短い炭素繊維を使う複合材の
加工技術の開発に力を入れています。

当ブログ関連記事
帝人、米で炭素繊維の生産能力2倍に 最大600億円投資
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東レ、軽量・高剛性を両立させた炭素繊維構造材を開発

    
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