【抜粋記事】TFT液晶、マザーガラスの大型化再来

電子デバイス産業新聞
TFT液晶、マザーガラスの大型化再来

BOE_G10p5_glass_image.jpg

2010年にシャープが堺市に第10世代(10G=2880×3130mm)工場を稼働して以降、止まっていたアモルファスシリコン(a-Si)TFTのマザーガラスの大型化競争が、ここに来て再び活発化している




中国のBOE(京東方科技)、CSOT(華星光電)に続き、中国の液晶モニターメーカーであるHKC(恵科電子)、シャープを傘下に収めた台湾の鴻海精密工業(フォックスコン)から新工場の建設計画が浮上


20年前後に世界で10G overの工場が合計で6つ操業することになる



G10over_FPD-plant_image1.jpg



<大型化の背景に「垂直統合」>

マザーガラス大型化の背景にあるのが「垂直統合」


その意思をまず明確に示したのがHKC。自社で必要なTFT液晶パネルを内製で確保して価格変動の影響をキャンセルし、最終セットのコスト競争力を高めていくため、液晶パネルからの垂直統合を指向したといわれている。



<鴻海は外販中止・内製強化で「垂直統合」>

鴻海は、シャープを傘下に収めたことで、シャープとイノラックスの液晶パネル生産能力を1つと捉え、シャープの優れた液晶生産技術をより活用していく流れにある


その改革の1つが、国内でも大きく報じられた「液晶パネルの外販中止」


こうした流れを察知してか、サムスンはすでに16年秋、CSOTが建設する10.5G工場の運営会社に21億元を出資し、株式の9.77%を取得


その鴻海は、中国の広東省広州市などを候補地として、11Gクラスの大型液晶工場の建設を検討していると国内メディアが報じた


一方で、シャープ買収以前に計画していた中国の河南省鄭州市と貴州省貴陽市のLTPS 6G工場の新設を凍結しており、当面は具体化させないと思われる



<LGDは10G overで有機ELか>

垂直統合を指向して10G overの液晶工場が林立すると、頭を抱えるのがLGD


55インチの有機ELテレビを市場に投入したが、中国の液晶メーカーが8.5G工場を相次いで立ち上げた結果、55インチ有機ELテレビと55インチ液晶テレビの価格差が広がった


18年から10G overの液晶新工場が相次いで立ち上がると、10.5Gで8枚取りが可能な65インチ液晶の供給量が急増する。こうなると、サイズ面に限っては有機ELのプレミア感がまたしても薄れ、8.5Gで液晶との価格勝負に挑まざるを得なくなる


こうした点を総合すると、現在は「超大型基板を使う」としか説明していない坡州P10には、10.5G以上のマザーガラスを用いたWLOEDラインを設置すると考えていい


10.5G以上で有機ELを生産するなら、インクジェットなど印刷プロセスの採用も視野に入れているようだ



<供給過剰と装置の納期に懸念>

前記以外で10G overを計画する可能性があるのは、中国のCECパンダ


だが、シャープが鴻海の傘下に入ったため、今後の技術支援は見込みづらく、単独で10G overを計画できる技術力を蓄積できるのかが問われるだろう


10G overの工場が20年前後にすべて稼働に移れば、当然のごとくテレビ用液晶パネルの供給過剰が懸念される。また、新設計画がひしめきあうと、露光をはじめとする製造装置の納期にも影響が及ぶ



当ブログ関連記事
【抜粋記事】中小型で有機ELに邁進、中国3社の戦略
有機ELパネル、中国勢が2兆円投資 主要6社、液晶超える市場規模見込む
【抜粋記事】ディスプレー強国へ、世界一を目指す中国の戦略(追記)

    

関連記事
スポンサーサイト

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

miyabi

  • Author:miyabi
  • 2013/1よりディスプレイ周りの技術情報を掲載。

    Twitter @deep2black
カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最近の記事
タグリスト
カテゴリー
アーカイブ
リンク
人気記事
ブログ内検索
関連書籍
RSSフィード
Twitter