【抜粋記事】「パナソニックはコンシューマへ先祖帰りしない」、スマートシティ/モビリティ注力。津賀社長インタビュー(追記)

AVWatch
「パナソニックはコンシューマへ先祖帰りしない」、スマートシティ/モビリティ注力。津賀社長インタビュー

Panasonic_2017CES_image1.jpg
CES 2017のパナソニックブース


--今回のCES 2017を見て、どう感じましたか


会場を回って強く感じたのは、サムスンやLG電子、ソニーでは、テレビを中心にしたコンシューマエレクトロニクスの世界に、もう一度戻ろうというトーンであったことです。それに対して、パナソニックのブースは、必ずしもコンシューマに戻るということはなく、スマートシティを中心に、これを構成するスマートモビリティ、エンターテインメントソリューションなどを展示し、「先祖帰り」はしていません。




--CES 2017のパナソニックブースでは、スマートシティへの取り組みについて、初めて展示を行ないました。とくに、米デンバーでの「City Now」を積極的に訴求していました。



Panasonic_2017CES_image2.jpg
ブースではCity Nowの紹介も

スマートシティは、スマートモビリティに象徴されるように、ハウジングに近い部分だけでなく、モビリティに近い境界領域で、新たなビジネスチャンスが生まれてきていると感じます。


住宅の境界領域までを含めると、ビジネスができる環境がさらに広がります。そこに「住宅」を重点分野に掲げる意味があります。


BtoBであれば、商品そのものを投入していなくても、周辺領域でビジネスができるという捉え方もできます。


テスラとの協業は、新たな境界領域でのビジネスを生んでいるもののひとつで、EV向けの電池の生産だけでなく、太陽光パネルを北米の住宅の屋根に供給するという事業が生まれています。


これは、クルマの自動運転でも同じです。パナソニックは、自動運転の世界においてリーダーシップを取るつもりはありません。


これは、自動運転でイニシアティブが取れなくても、その周辺の境界領域において、多くのビジネスチャンスが発生すると考えているからです。



Panasonic_2017CES_image3.jpg

自動運転時代の車室内空間を提案。4Kタブレットやナノイーなどの製品、技術を活用

CES 2017のパナソニックブースでは、自動運転の時代を想定した「車室内空間」を展示し、乗用車で対面シートを実現するインテリア技術を紹介しました。自動運転でクルマが変わることで、自動運転のコア以外の部分で多くのビジネスが発生するわけです。


コアがどんなものであるのかという「手触り感」を持つ必要がありますから、パナソニック社内では自動運転車を独自に開発して、様々なセンサーを使って、ディープラーニングの研究開発も行なっています。




--パナソニックのBtoBソリューション事業における成長のポイントはどこに置いていますか。


BtoBソリューション事業の伸びしろは、欧米市場にあると考えています。


その点では、北米市場におけるBtoBソリューションは、最も戦略的に考えるべき領域であるといえます。その流れのなかで、ハスマンを買収しました。


ビジネスとしては、東京オリンピックまでに1,500億円のビジネスを計画しています。従来はプロジェクタの強みや、カメラの強みを生かして、エンターテインメント向けに単品商売を進めてきましたが、これだけでは限界があります。


伸びしろを獲得していくには、ソリューション領域までやる必要があります。


CES 2017で発表したディズニーとの提携は、その一環といえます。




--2018年の創業100周年に向けて、あと1年となりました。CES 2017のプレスカンファレンスでも、100周年を意識した発言が多くありましたが、2018年に向けたパナソニックのモノづくりはどうなるのでしょうか。


ひとつは、松下電器として長年の歴史を持つ、「日本×BtoC」という切り口です。もうひとつは、グローバル企業としてのパナソニックが取り組む「グローバル×BtoB」というものです。




--2017年の年頭所感のなかで、2017年を「選択と集中を進める年」と位置づけ、そのなかで「やめる勇気を持つこと」を社員に向けて発信しました。これはどういった意味がありますか。


私が社長に就任してから最初の数年は、赤字事業をやめる、あるいは減らしていくという方針を打ち出し、そのなかで営業利益率5%を各事業部の指針としました。その後、成長戦略を進めるなかで、高成長事業、安定成長事業、収益改善事業に切り分け、単純に営業利益率5%という切り口だけでなく、高成長事業においては、先行的な投資が必要な場合には、単年ベースでは営業利益率5%を割ることもあるが、成長を優先させることにしました。


一方で収益改善事業は、利益率改善を重視したり、マーケット全体の動向を捉えたりすることで手を打っています。


我々は、もっと成長する事業にリソースを集中していく必要があると判断したわけである。そうした気持ちをより明確にするために、あえて今年初めに「選択と集中」という言い方をして、「やめる勇気」という言葉も使ったわけです。


例えば、太陽光発電は、パナソニックは、国内市場にフォーカスしていましたが、この市場だけではもう生きてはいけませんでした。


その中で、我々が出した結論は、米テスラモーターズとの協業という選択でした。止めずに、投資をして、もっと伸ばすという選択をした事例です。




--CES 2017では、自動運転に向けた展示が増加していましたが、パナソニックは、自動運転をどう捉えていますか。


自動運転は、ドライバーアシストを含めて、大きな成長が期待できる分野です。


具体的には、ヘッドアップディスプレイや電子ミラー、エンターテインメントシステム、クルマの制御シテスムなどが対象になります。


自動車メーカーは、デジタルやソフトウェア、コネクティビティに強いわけではありません。その点では、自動車メーカーよりも、我々の方が得意分野といえる領域です。




--テスラにもソフトウェアを提供していくことになりますか。


テスラは、もともとシリコンバレーの会社とも言える体質を持っていますし、自動運転のソフトウェアは自分たちでできると言っています。そこに、我々は「お役立ち」はできないと考えています。




--テスラモーターズとの提携では、いよいよギガファクトリーでのEV向け電池生産がスタートしました。いま、どんな気持ちですか。


キガファクトリーは、当初の計画では、2016年に稼働する予定だったものが、2017年1月4日に開所式を行ない、5日からセルの量産が始まりました。数カ月遅れたのは、建物を作りながら、同時に設備を入れていき、しかも、それを米国の地で進めたという要素があったのが理由です。そこには、「エッ」と思う部分もあったのも事実です。


いま、蓄電用の電池生産を開始しており、これから、テスラモデル3の量産開始に少し先行する形で、EV用の電池生産を開始します。モデル3の量産立ち上げが早いことが予想されるので、今後、毎月1本ずつラインを新設する形になるでしょう。


テスラとの協業は、電池が中心ですが、イーロン・マスクCEOからは、将来の電池をどうするのか、電池以外の様々な領域においても、パナソニックと一緒になって深堀できる領域はないか、という点での期待ももらっています。



関連記事
(17/02/21追記)
東洋経済:パナソニック、EV用電池「大バクチ」の勝算

当ブログ関連記事
米テスラとパナソニック、太陽電池生産で提携(追記)
米ハスマンとのシナジー効果は18年度200億円に=パナソニック
18年度までの戦略投資「変わらず」=片山パナソニック役員

    
関連記事
スポンサーサイト

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

miyabi

  • Author:miyabi
  • 2013/1よりディスプレイ周りの技術情報を掲載。

    Twitter @deep2black
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最近の記事
タグリスト
カテゴリー
アーカイブ
リンク
人気記事
ブログ内検索
関連書籍
RSSフィード
Twitter