【抜粋記事】「事業転換」成功の秘訣 富士フイルムCTO

日経テクノロジーオンライン
「事業転換」成功の秘訣 富士フイルムCTO

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2016年6月末に同社副社長兼CTO(最高技術責任者)に就任した戸田雄三氏。同氏は「CTO30会議」でCTOの役割について講演。CTOの必要性やその背景、求められる資質などについて聞いた。




――CTOの役割は何ですか。
戸田 企業の価値を最大化することがCTOにとって一番重要な役割です。CTOこそが主役となってビジネスを大きく育てる時代なのです。


――富士フイルムが化粧品や医薬品など新しいビジネスを育てるときに、最初にしたことは何でしたか。
戸田 コア技術の見極めです。現在のコア技術と育てていくべき将来のコア技術。どこを自社の強みとするのか、技術的な優位性はどこにあるのか。そのためには、ビジネスを取り巻く環境についても知らなければなりません。その業界がどう変化し、将来はどのようなニーズが生まれるのか。将来求められることを理解したうえで、その時に必要とされるコア技術を定義し、今から磨いていくわけです。「環境の変化の見通しからコア技術の定義」まで、これがまさにCTOがしなければならない仕事です。


――CTOとCEO(最高経営責任者)との役割の違いは何でしょうか。
戸田 CTOの役割は、仕掛け人として新しいビジネスモデルを提案することだと考えています。これに対してCEOは、経営という観点から優先順位を決めます。それを具体的な課題として落とし込む役割を担います。CEOがしっかりと判断できるように予算、人員配置、生産体制、納期、コアコンピタンスなどを含めた、具体的なアイデアにする必要があります。


――CTOに求められる資質や経験を教えていただけますか。
戸田 若いうちは専門分野を持つことです。1本、筋の通った背骨がないと、本質を見抜くことはできません。掘り下げた後に、その本質を一般解として横展開する「逆T字型」が望ましい。そして、CTOになったらプロデューサーになることが大切です。会社の様々な機能をまとめあげて、一つのプロジェクトをプロデュースするのです。


――写真フィルムを掘り下げて、横へ展開した逆T字型の結果、化粧品や医薬品へ参入した経緯を教えてください。
戸田 若いころ、写真フィルム工場で働いていた時、あるトラブルに直面しました。その解決には、乳化やコラーゲンの勉強が必要でした。そのとき、役立ちそうな論文や学会のほとんどが化粧品や医薬品分野のものだということに気がつきました。 ほかにも、写真フィルムで培った技術を生かせる場面は多々あります。写真フィルムという商品には寿命があっても、技術に寿命はありません。本質を見抜き、その価値を別の領域に生かすことで、新しい付加価値を生み出せます。


――新しいビジネスを生み出すために心掛けるべきことはありますか。
戸田 社内で「“ほら”を吹け、ウソはつくな」と言っています。ウソは過去の過ちについてのごまかし、“ほら”は明日の夢を語るものだからです。 もちろん、実際に新しいビジネスを始めようとしたとき、最初はほとんどの人が理解できません。90%以上の人は、考えを理解できず、判断できないだけです。この大多数の人を味方につけるには、小さくてもいいから成功例を見せることです。その成功例を見せることもCTOの役割です。このとき、小さい成功例でいいからといって細部をおろそかにしてはいけません。


――最後に、日本企業が元気になるために必要なことを教えてください。
戸田 日本人は失敗を恐れすぎです。日本の企業や経営者は、もっと大きな目標を持ったほうがいい。そうすれば失敗はなくなります。経営者が大きな目標を掲げることで、日本は変われると思います。



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