王子、「ポスト炭素繊維」量産 車・航空機・有機EL向け

日本経済新聞
王子、「ポスト炭素繊維」量産 車・航空機・有機EL向け

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王子ホールディングスは「ポスト炭素繊維」とされる植物由来の新素材、セルロースナノファイバー(CNF)を
2017年後半から量産するとしています。自動車や航空機、有機ELのディスプレー部材向けの採用を目指すとのこと。
日本製紙や大王製紙など製紙各社がCNF量産設備の導入を決めており、用途開発が加速しそうだとされています。


王子は年間25万平方メートルの透明シートを生産する設備を国内工場に導入。導入先は非公表。
約20億円を投じ、既存の設備をCNFシートが生産できるように改造するとのこと。
将来は能力を4倍まで拡大できる設計としています。

今は都内の研究センターで生産し、自動車や家電メーカーなど数十社にサンプル出荷中。
鉄やガラスを代替する軽量化素材の開発などで活用してもらっているとのことで
需要が増えたため、量産に踏み切るとしています。

CNFシートは折り畳んだり丸めたりできる。鉄やガラスの代替素材として、自動車メーカーなどに販売するとこと。
スマートフォンを軽量、薄型にするための素材としても注目されています。

製紙各社が量産へ向けた動きを加速しています。先行する日本製紙は石巻工場(宮城県石巻市)などで生産。
出荷先は王子と同様に自動車や家電メーカー、関連する部品メーカーなどです。

CNFは北欧や米国の製紙会社や研究機関が生産していますが、性能や製法など、
素材の定義にはばらつきがあります。実用化や用途開発では日本が先行。CNFを使った部品素材の開発でも、
モノづくりの裾野が広い日本は世界と比べて先行できるとみられています。

経済産業省はCNF関連市場を30年に1兆円規模にまで育成する構想を描いています。鉄の5分の1の軽さで
5倍以上の強度を持っています。CNFは石油由来の炭素繊維と違い、植物由来であるため
資源枯渇のリスクが少ない。製造コストは炭素繊維が1キログラム当たり2000~3000円であるのに対して、
CNFは量産すれば20年ごろには1000円程度になるとの試算があります。

▼セルロースナノファイバー(CNF) 木材に化学的、機械的処理を施して取り出した、
直径数~数十ナノ(ナノは10億分の1)メートル単位の極細な繊維状の素材。鉄鋼の5分の1の軽さで5倍以上の
強度を持つとされる。熱による膨張・収縮が少ないのも特徴。樹脂などに添加することで様々な機能を持つ
新素材を製造でき、炭素繊維に次ぐ新素材として研究・開発競争が進む。
経済産業省、農林水産省、文部科学省なども積極的に産業化を支援する。

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