【抜粋記事】液晶から有機ELへ、「パラダイムシフトが起こる」

日経テクノロジーオンライン
液晶から有機ELへ、「パラダイムシフトが起こる」

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有機ELの積極投資へ走る中国メーカーの狙いや課題について、中国のフラットパネルディスプレーの業界団体である、中国光学光電子行業協会 液晶分会 副秘書長の胡春明氏に聞いた




――中国メーカーは、有機ELへの投資に対して非常に積極的です。


スマートフォン市場において液晶から有機ELへのパラダイムシフトが起こる可能性は高いと中国パネルメーカーは考えており、これが有機EL投資に走らせる原動力になっています


スマホ用パネルの価格ですが、有機ELと液晶の差は急速に縮まっています。1年前は15米ドルの差がありましたが、今では1米ドルの差しかありません。液晶と有機ELの競争の結果、2016年中に両者は同じ価格になるだろうと見ています


有機ELは、新技術・新商品・新概念の1つだといえます。なぜか。決め手はフレキシブルです。有機ELでフレキシブルを実現することで、ディスプレーやそのアプリケーションをもっと新しいものへ発展させようと、皆が動きます。こうした動きに、中国のパネルメーカーも追いついていくという考えです


プレーヤーが増えつつあることも、有機ELにとって追い風です。中国では、3年前にBOE Technology Group(京東方)社がオルドス市に有機EL工場を立ち上げました




――中国パネルメーカーの有機ELへの投資計画は。


2018年前後に、第6世代の有機EL新工場を相次いで稼働させる予定です


現在、6つの有機EL工場の立ち上げが計画されています。いずれも第6世代で、中小型パネルの生産が中心です


計画中の6工場の中には、有機ELと液晶の両方を生産するものもあります。バックプレーンはいずれも低温多結晶Si(LTPS)基板です


例えば、中国FPDの2大メーカーであるBOE Technology Group社とChina Star Optoelectronics Technology(CSOT、華星)社は、これから有機ELの生産比率を高めようとしています。BOE社はほぼ確定ですが、フレキシブル有機ELのシェアを増やしたい。Tianma Micro-electronics(天馬)社は、武漢と厦門のそれぞれで新工場を立ち上げる予定です


既に量産稼働中の有機ELパネル工場は4つあります。BOE社のオルドス工場、Tianma社の上海工場、EverDisplay(和輝)社の上海工場、Visionox(維信諾)社の昆山工場で、いずれも第6世代以前の工場です


現在のスマホ用パネルの市場規模は年間18億枚です。このうち、有機ELは全体の12%、LTPS TFT液晶は同30%、アモルファスSi(a-Si)TFT液晶が同58%を占めています。2017年には、有機ELの比率が15%に増える見込みです。なお、液晶の比率は88%から85%に減少しますが、LTPS液晶については30%から34%へ増える見込みです。2017年は、a-Si液晶の市場を、有機ELとLTPS液晶が奪うことになります




――中国政府の後押しは。


中国政府は有機EL産業を積極的に立ち上げようとしています。特に、中小型は重点分野です。一方、大型については、支援の方針について議論の最中です


パネルメーカーは将来を見据えて、大型有機ELディスプレーの量産化を想定した方針を考えています。印刷技術の導入も検討しています


中国政府は、中国で60型以上のフレキシブルディスプレーを印刷技術によって量産できるようになることを目指す考えです





――中国の有機EL産業の課題は。


中国政府はフレキシブルディスプレーの産業化を推進する方針ですが、中国のパネルメーカーはこれまでフレキシブルディスプレーを製造した経験がありません


日本をはじめとする海外の材料メーカーや装置メーカーと一緒にコミュニケーションを取りながら開発、量産化を進めなければ、フレキシブル有機ELディスプレーの量産化は実現できないでしょう


また、フレキシブルディスプレーの市場が見えていないことも課題です


さらに、これは既存の中小型有機EL事業の話ですが、製造歩留まりの向上が課題になっています


生産効率の向上も課題です。例えば、現在の韓国の有機ELラインでは、ある工程を2つの処理で行っていますが、同じ工程を中国では4つの処理で行っています。中国の生産効率は韓国の1/2です。こうした課題を解決していく必要があります



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