バイオ後続品事業に賭けるサムスン、新たな収益源となるか(追記)

REUTERS
焦点:バイオ後続品事業に賭けるサムスン、新たな収益源となるか

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韓国サムスン・グループは、急成長が見込まれるバイオ後続品市場で他社に先駆け製品を投入するため、
惜しみなくリソースを注ぎ込んでいると報じられています。
4年前に後続品(バイオシミラー)を開発するサムスン・バイオエピスを設立。
スマートフォン事業の収益が悪化するなか、新事業で新たな収益源確保を目指すとされています。



バイオシミラーは、オリジナル製品の特許が切れた時点から販売が可能。
アライド・マーケット・リサーチによると、欧米で販売されている主要バイオ医薬品10種類以上の特許は
今後4年で切れるとのこと。そのため市場規模は、2014年の26億ドルから2020年までに266億ドルに
拡大すると期待されています。

畑違いのバイオ医薬品事業で製品開発を急ぐため、サムスンは多くの人材や資金を注ぎ込んでいます。
米バイオ医薬品大手バイオジェンからの出資を取り付け、スイスのノバルティスや米イーライ・リリーなどから
ベテラン社員を引き抜き、若手人材も多く確保しています。
バイオシミラーの販売では、バイオジェンや米メルクと提携しています。

まだ黒字化していないものの、バイオエピスは2020年には1兆ウォン(8億3900万ドル)の売上を目指すとしており
米市場での株式公開も計画しているそうです。

<開発期間を短縮>

いち早く製品を販売するため、バイオエピスは開発期間の短縮に力を注いでいます。
米アムジェンのリウマチ治療薬「エンブレル」のバイオシミラー開発では、300人のリサーチャーが
1500の実験を行い、約100基のバイオリアクターを稼働させています。

競合他社がこれほどのリソースを割くことは難しい、とアナリストは指摘しています。
バイオシミラーの開発だけを手がける企業は通常小規模の新興企業であることが多く、
一方で大手製薬会社は新薬開発に注力する傾向があるためとのこと。

ユージーン・インベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリスト、Han Byung-hwa氏は
「スピードは、競合他社よりも投資資金が多いことを意味する」と指摘しています。

バイオエピスは、当局の認可が下りたらすぐに製品を販売できるよう、臨床試験を行う前に
大量生産体制を整えるというリスクもとっているようです。

バイオエピスの製品開発部門のブライアン・ミン副社長は「われわれの業界では工程自体が製品だと言われる。
工程次第で全ての開発段階で時間短縮が可能になる」と語っています。

バイオエピスは先月欧州で、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の関節リウマチ薬「レミケード」の
バイオシミラーの認可を得ています。「レミケード」のバイオシミラーは、韓国のセルトリオンが開発した製品の方が
先に認可を得ていますが、同社は開発に約7年もの時間をかけています。

<リスク要因も>

コンサルティング会社のデロイトは、医師や規制当局が比較的バイオシミラーになじみがないことから、
普及が遅れるというリスクがあると指摘しています。

業界関係者は「ある地域ですぐに承認されたからといって、開発中の医薬品や同じ医薬品がすぐに他の地域でも
承認されるとは限らない」と述べ、「様々な変動要因があり、スピードもそのひとつだ」指摘しています。

多くの資金を注ぎ込んで失敗した時の代償も大きいようです。
デロイトによると、ジェネリック医薬品の開発コストが通常100万─500万ドル程度なのに対して、
バイオシミラーの開発コストは1億─2億ドルとのこと。

前出のHan Byung-hwa氏は「バイオ医薬品事業では常に多額の投資が求められる。短期的に結果が出なくても、
投資による負担は大きい。成功するためにサムスンは業界の全体像を把握しながら投資を続ける必要がある」と
語っています。

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