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営業黒字まであと一歩のAUO、4K/タブレット/タッチ/有機ELに注力

Tech-onより。
営業黒字まであと一歩のAUO、4K/タブレット/タッチ/有機ELに注力

台湾AUOの2013年1Q(第1四半期)決算説明会が実施されています。
連結売上高は対前年比(YOY)+16%、対前四半期比(QOQ)-5%の942億4400万NTドル、
売上高総利益は45億4800万NTドル(YOYで黒字転換、QOQ+179%)、
営業損失は13億6100万NTドル(同赤字縮小、赤字縮小)、
当期損失は-66億2000万NTドル(同赤字縮小、赤字縮小)。
利益率は、売上高総利益率で4.8%(2012年4Qは1.6%)、営業利益率で-1.4%(同-5.0%)とのことです。

Paul Peng総経理およびMichael Tsai副総経理が言及した主な戦略としては下記になります。

①テレビ用パネルについては、50型以上の大型、および4Kパネルに注力し、
 コスト削減を図ることで2013年通年では55型以上のパネル出荷の約2割を4Kとする計画。

②タブレット用パネルについては、
 AHVA(Advanced Hyper-Viewing Angle/広視野角、IPSパネルに類似)モ-ドを採用した
 パネルを2012年4Qから大量出荷する。
 (大手5社に対して(タッチパネルのみも含む;筆者注)既に供給を開始)
 また、ETP(Embedded Touch Panel)としてOGS(one glass solution)を採用して、
 パネルとタッチパネルのセット販売を実施。
 生産効率、コスト、品質ともに優れ、スマ-トフォン、タブレット、ノート・パソコン向けに供給を行う。
 ETP全体としては既に出荷数量が10万枚/月を超えている水準とのことです。

③スマ-トフォン向けについては、既に5型フルHD(443ppi)や5.7型フルHDを量産開始しており、
 今後は5型および6型クラスの機種を増やしていく。
 顧客としては中国の大手ブランドに注力しており、2013年には中小型パネル売上高の3分の1以上が
 中国顧客向けとなる見通しとのこと。

④テレビ・パネルについては、大型化と高精細化で増収を図る。
 テレビ用では「CES 2013」にソニ-と共同開発した4K2Kの56型を披露し、
 技術的優位性を訴えることができたとし、加えて、3月には65型の4K2Kパネルのサンプルが完成、
 これは現存のパネルでは世界最大と認識しているとのこと。
 ただし、技術開発は進めるが現時点では量産の計画はなく、
 まだ有機ELテレビの価格はフルHDでも液晶の10倍以上と高すぎるため、
 十分なコスト・ダウンを図り、市場が受け入れてくれる水準になるまでは
 量産を行う予定はないとのことです。
 中小型向けに関しては、画素数がフルHDの1/4となるQHDパネルが少量生産の段階。
 
 酸化物半導体に関しては、長期にわたって研究開発を続けており、
 有機EL基板向けに関しては今後も研究開発を続ける一方で
 タブレット用、スマ-トフォン用パネル(TFTパネルと見られる)に関しては、
 今年下期に製品投入を始める計画とのことです。

 中根氏も言及していますが、4Kパネル、大型パネル、タッチパネル付きノートパソコン、
 タブレット、スマートフォンの売り上げを伸ばすという戦略は同業他社も計画しており
 他社と技術ないしはコストの優位性をいかに打ち出していくかがポイントとなると
 考えられます。

 本記事は追記にて。


台湾TFT液晶パネル大手の一角を占めるAUOが、2013年4月30日、2013年1Q(第1四半期)決算説明会を実施した。連結売上高は対前年比(YOY)+16%、対前四半期比(QOQ)-5%の942億4400万NTドル、売上高総利益は45億4800万NTドル(YOYで黒字転換、QOQ+179%)、営業損失は13億6100万NTドル(同赤字縮小、赤字縮小)、当期損失は-66億2000万NTドル(同赤字縮小、赤字縮小)。利益率は、売上高総利益率で4.8%(2012年4Qは1.6%)、営業利益率で-1.4%(同-5.0%)。

 QOQで減収にもかかわらず、収益が改善した理由として、プロダクト・ミックス、歩留まりの改善とコスト削減効果があったためとのコメントがあった。稼働率は90%とQOQ横ばい、事前予想(QOQで若干の低下)を上回った。

 大型パネルについては、出荷数量がQOQ-13%、出荷面積が同-9%、ASP(平均単価)は同+2%である。出荷数量は事前予想に対してQOQ-7~-9%程度(「high single digit % down」との表現)下回り、ASPは(QOQ横ばい~若干の上昇)想定線。中小型パネルにつては、出荷数量がQOQ-18%、出荷面積が同+28%、ASPは同+17%。事前予想比では出荷数量(QOQ-20%以上の減少)が上回り、ASPは事前予想(QOQ+10%以上の上昇)に沿った水準である。

在庫はQOQ+11%(2012年4Qの425億8600万NTドルから2013年1Qに470億9900万NTドル)、在庫回転日数は46日(2012年4Qは42日)。EBITDA(税金や支払利息、減価償却費を差し引く前の利益)マ-ジンは17.5%(同13.2%)。DEレシオ(有利子負債を自己資本で割った倍率、ネット)は2012年4Qの90.7% から2013年1Qに94.7%となった。

 アプリケ-ション別売上高構成比は、テレビ向け47%、ノート・パソコン/タブレット向け20%、モニタ-向け14%、コンシュ-マ向け(中小型)13%、その他6%である。


2Qにはパネル単価が上昇し稼働率は改善 2Qの事前予想は、以下3点である。(1)大型パネルの出荷数量はQOQ+5~+8%程度(「mid to high single digit % up」)、ASPはQOQ+1~+5%程度(「low to mid single digit % up」)。(2)中小型パネルは出荷数量QOQ+2桁%台の増加、ASPはQOQ+1~+5%程度(「low to mid single digit % up」)。(3)稼働率はQOQで改善(大型パネルの稼働率はQOQ横ばい、中小型はQOQ上昇)。


55型以上の2割を4Kに Paul Peng総経理およびMichael Tsai副総経理は以下の4点に言及した。

 (1)テレビ用パネルについては、50型以上の大型、および4Kパネルに注力する。テレビ用パネルの平均サイズは市場がYOY+1.5型を見込むのに対し、同社では1.5型以上を計画している。39型以上の比率は、1Q実績で57%、2013年末までに70%に達する見通しである。4Kパネルについては55/65型に注力、1Qに大量出荷を開始、主要顧客は大手ブランドとする。2QにはQOQ倍増を計画している。
65型の4Kパネル一枚の価値は50型フルHD品の3枚以上分、同サイズのフルHD品の1.7~1.8倍と付加価値が高い。今後、普及加速のためにさらなるコスト・価格低下を図り、2013年通年では55型以上のパネル出荷の約2割を4Kとする計画だ。

 (2)タブレット用パネルについてはAHVA(Advanced Hyper-Viewing Angle/広視野角、IPSパネルに類似)モ-ドを採用したパネルを2012年4Qから大量出荷する。1Qは、QOQ倍増、2QもQOQ2桁の伸びを見込む。歩留まりも大幅に改善し軌道に乗ってきた。大手5社に対して(タッチパネルのみも含む;筆者注)既に供給を開始している。もう一つ重要なのがETP(Embedded Touch Panel)である。AUOはOGS(one glass solution)を採用し、パネルとタッチパネルのセット販売を行っている。生産効率、コスト、品質ともに優れ、スマ-トフォン、タブレット、ノート・パソコン向けに供給を行う。それぞれ、主要顧客と共同開発を行い、パネルの標準化、コスト・ダウンを図っている。ノート・パソコン向けに関しては今年のタッチ装着比率を20%と想定しているが、既に1Qから他社に先行して量産出荷しており、2Qはさらに機種が増える見通し。なお、ETP全体としては既に出荷数量が10万枚/月を超えている水準である。

 (3)スマ-トフォン向けについては、同社の平均サイズが4型以上と業界平均の3.2型を上回っている。既に5型フルHD(443ppi)や5.7型フルHDを量産開始しており、今後は5型および6型クラスの機種を増やしていく。2QのフルHDパネルの出荷はQOQ倍増を見込む。
顧客としては中国の大手ブランドに注力しており、2013年には中小型パネル売上高の3分の1以上が中国顧客向けとなる見通しである。

 (4)テレビ・パネルについては、大型化と高精細化で増収を図る。テレビ用では「CES 2013」にソニ-と共同開発した4K2Kの56型を披露し、技術的優位性を訴えることができた。加えて、3月には65型の4K2Kパネルのサンプルが完成、これは現存のパネルでは世界最大と認識している。ただし、技術開発は進めるが現時点では量産の計画はない。
まだ有機ELテレビの価格はフルHDでも液晶の10倍以上と高すぎる。十分なコスト・ダウンを図り、市場が受け入れてくれる水準になるまでは、量産を行う予定はない。

 中小型向けに関しては、画素数がフルHDの1/4となるQHDパネルが少量生産の段階である。同社はHD(300ppiクラス)に注力しながら、FHDにつないでいく計画だ。酸化物半導体に関しては、長期にわたって研究開発を続けている。有機EL基板向けに関しては今後も研究開発を続ける一方、タブレット用、スマ-トフォン用パネル(TFTパネルと見られる)に関しては、今年下期に製品投入を始める計画である

1Qは減収も収益改善続く、ただし営業損益はまだ赤字 AUOの1Q実績は、QOQで減収にもかかわらず、売上高総利益率(+4.8%)、営業利益率(-1.4%)、EBITDAマ-ジン(17.5%)は改善した。競合の韓国LG Display社は米Apple社向けの不振もあって、QOQで収益悪化、売上高総利益率は2012年4Qの12.7%から2013年1Qに10.3%、営業利益は6.7%から2.2%に、EBITDAマ-ジンは20.7%から18.7%になった。

 AUOの実績は、LG Displayにまだ及ばないものの、その差は大幅に縮小した。太陽電池の損益改善はパネル・メ-カーの中ではAUO特有の要因だが、大型は4Kパネル、中小型は高精細、大画面、タッチパネル付きなどの拡販によって単位面積当たりの売上高の増加を図るという戦略は、大手各社にほぼ共通している。今後、LG Display との格差を更に埋めていくことができるのか、注目を続けたい。

 大型パネルでは、出荷数量(QOQ-13%/事前予想はQOQ-7~9%)は事前予想を下回ったが、ASP(QOQ+2%/同QOQ横ばい~若干上昇)は事前予想を上回った。需要と収益性がともに悪いモニタ、ノート・パソコン用パネルの出荷数量が想定以上に減った一方、好採算のテレビ向け大型(39型以上)や4Kパネルが増えたことによって、出荷数量は想定を下回ったがASPは想定以上の改善、収益もQOQで改善したものと見られる。

 中小型パネルは出荷数量(QOQ-18%/事前予想-20%)が上回り、ASP(QOQ+17%/QOQ+10%以上の上昇)に沿った水準となった。2012年4Qは、「iPad mini」向けパネル(7.85型XGA、狭額縁)の歩留まり不振によって出荷数量が計画を大きく下回った一方(推定実績70万)、2013年1Qは歩留まりの大幅改善で出荷量が伸びた(推定実績350万)ことから、ASPと収益改善に大きく効いたと見ている。


在庫が3Q需給に及ぼす影響に注意 業界全体の事業環境を鑑みると、AUOの2Q事前予想(大型パネル出荷数量QOQ+5~8%程度など)はおおむね妥当と考えられる。ちなみに、ドイツ証券の2Qのガラス基板投入予想はQOQ+6%)、稼働率は84%前後である。2Qは出荷数量が事前予想上限のQOQ+8%にまで伸びれば、投入を上回るため在庫は減少することになるが、QOQ+6%以下であると在庫水準はさらに若干上昇することになる。現時点で業績を発表しているパネルやセットのメ-カーは、1Q末時点の在庫がQOQでおおむね増加となっている。このトレンドが2Qも続くと、繁忙期の3Qにその在庫が吐き出され需給に悪影響を及ぼす可能性がある点には留意が必要である。

 事業環境についての見解は、傾向としては当社想定と相違ない。しかし、テレビ用パネルの大型化、ノート・パソコンのタッチ採用比率などの数値についてはやや楽観的との印象である。
今期の収益改善の方策は単位面積当たりの売上増加とコスト削減である。コスト削減は円安にある程度助けられ、順調である。1米ドルが100円近辺まで円安が進んでおり、さらなる急激な円安とならない限り、為替によるコスト・ダウンの速度は減速しよう。

 一方の売上高の増加はテレビ用4Kパネルや65型などの大型パネル、タッチパネル付きノート・パソコン用パネル、タブレット・パネル、スマ-トフォン・パネルの拡販にかかっている。ただし、これは同業他社が採っている戦略とほぼ同じであり、技術面もしくはコスト競争力で優位性を発揮しないと、売上高、利益で他社を上回ることは難しい。同社がどのレベル(スペック)のパネルでどの程度の受注を獲得できるのか、またそれらのハイエンドパネルの歩留まりをどの程度まで改善させることができるのか、注視したい。


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