山形大、プリンテッドエレクトロニクスのベンチャー設立(追記)

日経テクノロジーオンライン
山形大、プリンテッドエレクトロニクスのベンチャー設立

Futureink_RtoR_IJ_Print_image1.jpg
90cm×60cmのPETフィルム上に、ロール・ツー・ロール方式のインクジェット印刷装置で
(写真:山形大学)

山形大学は、山形大学有機エレクトロニクス研究センター(ROEL)から、プリンテッドエレクトロニクス技術を
実用化するベンチャーが誕生したことを発表しています。
「株式会社フューチャーインク」として2016年4月1日、工学部キャンパス内に設立したもの。
銀ナノ粒子インクの開発・販売や、応用製品であるフィルム状のセンサーデバイスの試作・開発などを手掛けます。


新会社は、高性能な半導体回路を印刷で形成する技術をもとに、ヘルスケア分野向けのセンサーをはじめとした
高付加価値なプリンテッドデバイスを低コストで提供していくとのこと。
コア技術は、ROELの時任静士教授、熊木大介准教授らが、科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業
大学発新産業創出プログラム(START)の支援を受けて研究開発したものです。

薄いフィルム状のセンサーデバイスは、ヘルスケアや医療の分野で今後の需要拡大が見込まれています。
一般に、センサーの制御やセンサーで得られた情報の無線伝送には、薄膜トランジスタを多数組み込んだ
半導体回路が必要になりますが、これまでは、そうした複雑な半導体回路を印刷で形成することは困難でした。

ROELの時任教授、熊木准教授の研究グループでは、STARTにおいて、
印刷半導体回路の高性能化に取り組んでいます。
微細な配線を形成する印刷装置に適用できる銀ナノ粒子インクの開発や、大規模な印刷装置に適用できるだけの
同インクの製造規模の拡大、同インクを用いたロール・ツー・ロール印刷プロセスの開発を進めてきました。

その結果、従来は難しかった銀ナノ粒子インクの表面エネルギーの制御に成功し、
印刷で線幅10μm以下の微細な配線を形成できるようになったとのこと。
また、銀ナノ粒子インクの製造量も、合成プロセスの最適化などにより、実験レベルの1gから、
ロール・ツー・ロールのインクジェット印刷装置などで扱える50g程度へ拡大。
開発した銀ナノ粒子インクを用いて作製した薄膜トランジスタでは、センサーを十分に駆動できる
1cm2/Vsのホール移動度が得られ、実用に耐えることが確認できたとしています。

Futureink_business_model_image1.jpg
フューチャーインクの事業イメージ
(資料:山形大学)

フューチャーインクでは、低温、線幅10μm以下、高い歩留りで半導体回路を形成できる銀ナノ粒子インクや、
同インクを使ったロール・ツー・ロールでのデバイス製造技術をもとに、ヘルスケア向けセンサーのほか、
大面積のシート型センサーや電子ペーパーなど、新たな市場の開拓を目指すとしています。

山形大学ニュースリリース
山形大学発のプリンテッドエレクトロニクス技術を事業展開するベンチャー企業設立

関連記事
EETimes:山形大、印刷エレ技術を事業化するベンチャー設立
(16/08/22追記)
EEtimes:4人の研究から始まった山形大発プリンテッドエレ
(16/08/24追記)
日経テクノロジーオンライン:大面積・高精細のロール・ツー・ロール印刷技術

当ブログ関連記事
田中貴金属、タッチパネルセンサー製造へ ナノ銀粒子技術を活用(追記)
フレキシブル有機エレクトロニクス実用化へ―産学で新研究組織、山形大など30社参加
インクにも柔軟性を、伸縮自在の銀ペースト
宇部興産、印刷でN型有機半導体-山形大と材料開発

    
関連記事
スポンサーサイト

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

miyabi

  • Author:miyabi
  • 2013/1よりディスプレイ周りの技術情報を掲載。

    Twitter @deep2black
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最近の記事
タグリスト
カテゴリー
アーカイブ
リンク
人気記事
ブログ内検索
関連書籍
RSSフィード
Twitter