ジャパンディスプレイ、有機EL新ラインに500億円投資

日本経済新聞
ジャパンディスプレイ、有機EL新ラインに500億円投資

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ジャパンディスプレイ(JDI)は主力拠点の一角である茂原工場(千葉県茂原市)に500億円を投じ、
2017年春に有機ELパネルの生産ラインを立ち上げると報じられています。
スマートフォン(スマホ)換算で月産100万枚を生産し、18年には500万枚まで引き上げて
量産体制を確立する計画とのこと。
有機ELパネルの採用方針を示す米アップルの動きに対応し、量産技術を蓄積して
先行する韓国勢に対抗するとされています。



第6世代と呼ぶ150×185cmのガラス基板を使い、当初は月産3000枚で生産。
有機ELパネルの生産工程の一部は液晶パネルとも共通するため、茂原工場の既存設備を活用して
投資を抑えながら生産を立ち上げたい考えのようです。

有機ELの発光を制御する回路基板を形成する工程や、発光材料を水分から守る封止といった
パネル生産の全工程を茂原工場で一貫して手掛けるとしています。
本格量産に入る際と同じ環境を17年春の時点で用意し歩留まりを向上させるとしており
18年以降の本格量産に向けて、さらに投資を上積みする見通しです。

JDIは14年春から石川工場(石川県川北町)で小型の試作ラインを設けて量産技術の研究を進めてきています。
材料や装置制御の技術が一定水準に達したと判断し、茂原工場で量産に向けた
大型基板での設備投資に踏み出すとされています。
有機ELの発光材料を真空中で蒸発させて付着させる「蒸着方式」と呼ばれる生産方式での量産を目指すとのこと。

有機ELパネルは鮮やかな色彩を再現でき、デザインの自由度が高いものの、高い生産技術が求められます。
日本では1990年代からソニーなどが先導して技術を蓄積してきています。
ただ2000年代後半に国内勢が巨額の開発費が必要な有機ELへの投資を控え、
韓国メーカーに追い抜かれた経緯があります。

韓国サムスン電子は10年には自社製スマホ「ギャラクシー」に採用し、装置や材料メーカーとともに
生産技術を蓄積。子会社のサムスンディスプレーがけん引する形で有機ELパネルの市場が拡大してきています。

15年秋には米アップルが17年以降に売り出すiPhoneに搭載する方針を部品メーカーに示しています。
これを契機にスマホを中心にデジタル製品のパネルは徐々に液晶から有機ELに置き換わる見通しです。
サムスンディスプレーのほか韓国LGディスプレー、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入るシャープなど
主要なパネルメーカーが研究開発、増産投資を加速しています。

現時点では長期の量産実績を持つサムスンが技術の蓄積で大きく先行しています。
腕時計型端末に有機ELパネルを供給するLGディスプレーもテレビ向けの大型パネルを含めて
1兆円の設備投資に踏みきりサムスンに対抗するとしており
JDIは量産ラインの新設で追い上げを図るもようです。

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