FC2ブログ

反射を1/4にする大気圧成膜や安価な樹脂レンズ加工、EVGが開発中

Tech-onより。
反射を1/4にする大気圧成膜や安価な樹脂レンズ加工、EVGが開発中


 広い反射角・波長域にわたって反射光を4分の1以下に低減する室温・大気圧下でのガラス向け成膜技術や、小型カメラ用レンズを低コストに一括成形する技術をオーストリアの半導体製造装置メーカーEVGroup(EVG)が開発している。前者は太陽電池のカバー・ガラスに応用して発電効率を向上できる可能性があり、後者はスマートフォン向けイメージ・センサーと組み合わせてカメラを低コストかつ薄型にできる可能性がある。

EVGroup(EVG)はオーストリアの半導体装置メーカーで、リソグラフィ装置やボンディング装置を
取り扱っています。
個人的に注目なのはSiO2ポーラス膜を用いたAR(反射防止)技術です。
複数のコーターを用いて塗布した後にガラス基板と塗膜を化学反応させ、基板上にSiO2ポーラス膜を形成する
というものだそうです。通常は複数の屈折率を持った無機膜をスパッタなどの真空プロセスにて基板上に
形成する方法が一般的ですが、上記技術は室温、大気圧下で成膜可能とのこと。

EVGroupのHP
http://www.evgroup.com/ja/

2013年4月22日、EVG日本法人のイーヴィグループジャパンは、報道機関向けに説明会を開催し、これら開発中の技術について解説した。

 説明会では、同社代表取締役の山本宏氏が、MEMS製造やインプリント技術の分野でEVGが業界をリードしていることを紹介した。
EVGの製造装置における世界市場シェアは、永久接合では80%以上、仮貼り合わせでは90%以上、貼り合わせによるSOIウエハー製造では100%、マスクアライナーでは30%以上とする。MEMS関連企業の大手30社のうち29社がEVGの装置を採用しており、同社の技術が事実上の業界標準化しているという。

イーヴィグループジャパン代表取締役の山本宏氏
イーヴィグループジャパン代表取締役の山本宏氏

 売り上げも順調に伸ばしている。非公開企業のため業績は非公開だが、数年前に日本円換算で数百億円規模の売り上げを達成、その後も年率20%前後の成長を継続しているとする。2012年には、オーストリア本社のクリーンルームの拡張工事を実施、同年秋にクリーンルームの床面積を2倍に広げた。研究開発センターなどもオープンさせており、今後もさらに本社機能を拡大している。

技術部門を統括する川野連也氏
技術部門を統括する川野連也氏

 説明会では、日本法人で技術部門を統括している川野連也氏がEVGの持つ既存の製造技術に加え、開発中の新技術について説明した。既存技術では、2枚のウエハーを貼り合わせる際の位置合わせ手法として、3σのバラつきに収まる範囲を200nm以下とする「SmartView2」を紹介した。2個のカメラを使い2枚のウエハーのマークからそれぞれの位置関係を特定する。
プロセス中の校正が可能、光軸精度が原理的に貼り合わせ精度に影響しない、貼り合わせ前のウエハー間の距離を短くでき貼り合わせプロセスによる位置ずれを抑えられる、といった特徴を備える。直径が50mm~100mmの小径ウエハーを高速に一括貼り合わせする技術も紹介した。
LEDなどコスト競争の激しいデバイス向けである。また、仮貼り合わせと永久接合によって、厚み約16μmのウエハーに2μmおよび4μmのメタル層を形成して層厚およそ23μmのデバイスを
問題なく動作させることに成功したという。

層厚23μmのウエハー断面など
層厚23μmのウエハー断面など

 新技術に関しては、ナノインプリント技術に低粘性の紫外線硬化樹脂を適用して、反りやうねりのある基板に展開可能であることを確認した。この樹脂での最小加工寸法は、L(ライン)/S(スペース)12.5nmである。化合物半導体の結晶成長プロセスにおいて、ナノインプリントで形成したパターン上に結晶を再成長させることで、欠陥(転移)を低減するといった用途に展開していく。欠陥の低減で、一般には大口径化による低コスト化や大電流化が可能になる。

12,5nmのLSの加工イメージ
12.5nmのL/Sの加工イメージ

 ナノインプリントの別の応用として、ウエハー・レベル・カメラ・レンズの技術を紹介した。ガラス基板上に載せた樹脂を型枠で抑えて、大量のレンズを一括形成して、積層してから切り出す。すでに量産段階にある。将来の量産技術として、ガラス基板を使わず樹脂のみで一括形成して積層工程も不要とする手法を開発中だ。
硬化時の変形を抑えるガラス基板がないことから難易度が高い。

左が既存のレンズ量産手法、右が開発中の手法
左が既存のレンズ量産手法、右が開発中の手法

 さらに塗布技術を使った大面積ガラスの成膜技術についても紹介した。
複数のコーターを使ってガラス基板にSiO2のポーラス膜を形成する。実効的な屈折率が下がって、反射光を大幅に低減できる。塗布後にガラス基板との間で化学反応させるプロセスが必要となるが、すべてを室温下かつ大気圧下での形成が可能なため成膜コストを低コスト化しやすい。
EVGとしては量産段階の技術と考えている。太陽電池メーカーなどが評価段階である。なお、新技術などについては同社が5月27日に京都で開催するプライベート・セミナーで紹介する予定だ。

低反射膜をSiO2ポーラスの塗布で実現
低反射膜をSiO2ポーラスの塗布で実現
関連記事
スポンサーサイト



この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

miyabi

  • Author:miyabi
  • 2013/1よりディスプレイ周りの技術情報を掲載。

    Twitter @deep2black
カレンダー
11 | 2020/12 | 01
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最近の記事
タグリスト
カテゴリー
アーカイブ
リンク
人気記事
ブログ内検索
関連書籍
RSSフィード
Twitter