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焦点:次世代「曲がるスクリーン」、スマホ搭載には課題山積

ロイター通信より。
焦点:次世代「曲がるスクリーン」、スマホ搭載には課題山積

先の記事でも触れたように、構造上ガラス基板を用いなければならない液晶ディスプレイ(LCD)と比較して
有機ELでは自発光デバイスのため原理的には単純な構造で実現できます。
フレキシブル基板上にも形成できるのは有機ELの強みですが、一方で水分に弱く信頼性に難があります。
ガラス基板上であればすでに量産実績もあり、フレキシブルなガラス基板が出来ればフレキシブル有機ELの
実現に近づけますので、コーニングのウィローガラスなど開発は進められているようですが、
やはりプラスチック基板と異なり柔軟性が課題のようです。
プラスチック製の基板では上記のように水分の浸透を防ぐことが最大の課題といえますが、
サムスンなどもこの点をまだクリアできていないと思われます。
素材でのブレークスルーが求められる分野ですので、材料技術に秀でた日本企業の活躍するチャンスとも
いえるのではないでしょうか。


当ブログ内関連記事:
Samsung、フレキシブルOLEDの開発に遅延


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[シンガポール/ニューヨーク 14日 ロイター] 眼鏡型端末や腕時計型端末の年内投入が話題になっているが、こうした動きは、折り曲げたり巻いたりすることも可能なフレキシブルなスクリーンという大きな「革命」への第一歩に過ぎない。

現在スマートフォン(多機能携帯電話)に使用されているスクリーンは比較的重く、割れやすく硬いガラスでできている。しかし今後は、平たい面以外にも使える伸縮自在なスクリーンさえ現実のものになるかもしれない。ただ、そこへの道のりは平坦ではない。

4月14日、現在スマホに使用されているスクリーンは比較的重く、割れやすく硬いガラスでできているが、今後は、平たい面以外にも使える伸縮自在なスクリーンさえ現実のものになるかもしれない。写真は米シーマナノテク社の製品(2013年 ロイター)
4月14日、現在スマホに使用されているスクリーンは比較的重く、割れやすく硬いガラスでできているが、今後は、平たい面以外にも使える伸縮自在なスクリーンさえ現実のものになるかもしれない。
写真は米シーマナノテク社の製品(2013年 ロイター)


調査会社ラックス・リサーチでディスプレー技術を分析するジョナサン・メルニック氏は「技術面の障害をクリアすれば、(曲がるスクリーンは)製品デザイナーにとってパラダイスのような世界になる」と指摘する。

プロトタイプはこれまでに多く完成しており、韓国のサムスン電子は今年、端末のサイド部分からディスプレーが伸びるモデルを披露した。しかし、技術面でのハードルのほか、安価に大量生産する方法、ユーザーが欲しがる機能の開発など、課題は多く残る。

調査会社ディスプレーサーチによると、小型ディスプレーの世界市場は2016年までに現在の2倍以上となる約720億ドル(約7兆円)に達する見通し。スクリーンの主流は今も、バックライトを必要として2枚のガラスに挟まれる液晶ディスプレー(LCD)だが、そのことが、ノート型パソコンからタブレットに至るまで、端末が重くなる大きな要因となっている。

米シスコ・システムズやヒューレット・パッカード(HP)で過去にエンジニアとして働いていたケビン・モリシゲ氏は「タブレットの重量の大半は、ディスプレーのガラス部分と、割れ防止のための構造だ」と述べた。

ただ、LCDの優位性は、より軽量の有機ELディスプレーによってすでに脅かされつつある。
有機ELはバックライトを持たない上に画面は明るく、より広い角度から画面を見ることが可能で、コントラストも優れている。

<「ゴリラ」から「ウィロー」に>

一方で、ガラスの軽量化と柔軟化も進んでいる。強化ガラス「ゴリラ・ガラス」が多くのスマホに採用された米液晶ガラス基板大手のコーニングは、紙1枚ほどの薄さでありながら端末を包むことができる超薄型のフレキシブルガラス「ウィロー・ガラス」の開発に注力している。「ウィロー」は当初は太陽光パネルのコーティングなどに使用される見通しだが、いずれは曲面を持つ製品向けにも使われるとみられる

「ウィロー」の強みは、コストの高いバッチ方式の生産ではなく、印刷方法のような「ロール・ツー・ローツ方式」を採用することで高温かつ連続的な生産が可能になり、製造効率が高くなることだ。しかし、コーニングのガラス技術部門責任者、ジェームズ・クラッピン氏はロイターに対し、フレキシブル製品としての「ウィロー」の商品化はまだ先だとの考えを示した。

英国を拠点とするコンサルタントのエイドリアン・バーデン氏は、「曲げることは可能でも、柔軟性は維持できない」と指摘。曲面ディスプレーを搭載する端末では、曲げたり折ったりが可能なスクリーンはプラスチック製になる可能性が高いということだ。
しかしプラスチックはガラスほど頑丈ではなく、新たな問題も出てくるだろう。

有機ELディスプレーとプラスチックが一緒に使用された場合、酸素や蒸気の透過を防ぐ「バリアフィルム」が必要となる。前出のメルニック氏は、「例えば食品包装など、あらゆる分野でバリアフィルムは使用されるが、有機ELディスプレー向けのバリアフィルムは特に高性能のものが必要となり、これは大きな課題となる」と述べた。このほか、フレキシブルなディスプレーでは、電流を流す導体も含め、採用される部品もすべてフレキシブルでなくてはならない。

<ユーザーが欲しがる製品>

資金が潤沢なサムスンのような企業は、ユーザーがどんな製品を好むか探るためにプロトタイプを開発する。しかし、それが常に商業的成功につながるとは限らない。例えばソニーは、2007年にフレキシブルな有機ELディスプレーを発表したが、「6年が経過しても新たな製品は開発されていない」(シンガポールの金属リサーチ・エンジニアリング研究所のZhang Jie氏)。サムスンが有機ELディスプレーに注力するのであれば、それが搭載される端末はユーザーが本当に欲しがるものでなくてはならないだろう。

しかし、ユーザーが待ち望む製品の開発は、商品化プロセスを遅くする要因にもなる。サムスンは2011年末、フレキシブルディスプレーを搭載した携帯端末を「2012年のできれば上期に」発表するとアナリストらに伝えていたが、1年後の時点でも「まだ開発中」だとしている。

ジェフリーズは先月、サムスンが「割れない」スクリーンを年内に市場投入する可能性があるとした上で、同社がフレキシブルなディスプレーを使った端末を投入するのは2014─15年以降になるとの見通しを示した。

(原文執筆:Jeremy Wagstaff記者、Sinead Carew記者、翻訳:本田ももこ、編集:宮井伸明)

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