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ラーメンとイノベーション

Tech-onより。
ラーメンとイノベーション

ラーメン


熊本発祥のラーメンチェーン店である「味千ラーメン」が中国で人気となっているようです。
人気の秘密は「①現地化」と「②コア技術(強み)の保持」といえそうです。

①現地化(ローカライズ)
ラーメンと言えば日本ではどちらかというと個人で楽しむB級グルメの扱いを受けている料理ですが、
中国にチェーンを展開するに当たり、様々な現地化を図っています。
例えば中国では食事は大人数で楽しむという文化があるため、店舗をファミリーレストラン並みの面積にし、
また有頭エビのトッピングなど中国人が好むメニューのバリエーションを増やしています。
その上で空港やショッピングモールなどに出店し、価格設定も現地の麺類の数倍に設定して高級化を
図っています。

②コア技術(強み)の保持
一方で「ラーメンの味」そのものは日本と同等の品質を保ち、またサービスの品質・店舗の清潔さについても
日本と同様の水準を保つようにしているようです。

海外へ事業展開するに当たり、上記の2点についてはどの産業でも基本となるポイントといえると思います。
闇雲に規模を拡大するのではなく、自社の強みは何か、地域に合わせて変えるべきところは
何かを戦略的に分析した上で展開を進めるのが重要だといえるのではないでしょうか。


記事本文は続きから。

ラーメンからイノベーションの“味”を感じられると言われたらどう思われるだろうか。今回は、ハイテク製品ではなく、多くの方が大好きな庶民の食であるラーメンから、ちょっと違った視点で、中国で起きている異文化交流による食関連のイノベーションを考察する。
その中には、“うまみ”のあるヒントが盛り込まれているのではないかと筆者は考えている。

「味千ラーメン」はご存じですか
 日本の電気製品の中国での人気は、韓国や中国の企業の急成長で、年々落ちていると感じている。一方、日本食は人気が急上昇中だ。上海や北京などの大都市では、日本のラーメンが大人気である。日本のラーメン店は、今や中国で多くの中国人客を引き寄せている。その中で、日本ではそれほど知られていない、熊本発祥のラーメンチェーン「味千ラーメン」が既に海外で650以上の店舗を展開し、2010年4月には中国の「ファストフード企業トップ50」の第4位にランクインした。

 もっとも、ラーメンをはじめとする日本の料理が中国や東南アジアへ進出した例は、これまでにもたくさんあり、それらの多くはそれほど有名にはならなかった。それに対して、味千ラーメンは日本のラーメンの代名詞と言えるほどの盛況ぶり。なぜ、味千ラーメンは中国で大いに成長できたのだろうか。その秘訣は何だろうか。

中国で成功した要因 
一言でいえば、日本での常識にとらわれずに、新たなラーメンスタイルを創造したことが挙げられる。すなわち、味千ラーメンは、中国においてラーメンのイノベーションを起こしたのである。中国市場に合わせて、変えるべきところは変え、守るべきところは守る。そうしたローカライズを実施したのだ。

①高級なイメージを創る
 日本のラーメン店は、美味しくて繁盛している店が多い。しかし、ちょっと失礼かもしれないが、多くは店が小さく、暗いイメージを受けるところも少なくない。中国では、店が小さければ、人気がない、儲かっていないと思われやすい。そのまま、中国に進出すると、現地の麺類の店と変わらず人気にならないだろう。

 味千ラーメンの場合は、中国のほとんどの店舗で、面積を日本のファミリー・レストランと同等程度にした。加えて、店舗のデザインに高級そうな雰囲気が出るものを採用。さらに、価格を中国の地場のラーメン店の数倍ぐらいに設定して、中国における麺類店のイメージを大きく変えてしまったのである。

 中国では、食事は友達や家族と一緒に楽しく味わうという文化がある。このため、そもそもカウンター席というものがない。テーブル席も2人掛けというのは少なく、4人掛け以上が標準だ。こうなると、おのずと店舗面積が大きくなる。

 店舗の立地もキーポイントだ。味千ラーメンは、中国ではほとんどの店舗を都市中心部の繁華街、ショッピングモール、空港などの一等地に出している。それが、斬新なラーメン店のイメージ創りに一役買っているのだ。


北京空港のターミナルにある「味千ラーメン」

北京空港のターミナルにある「味千ラーメン」

②豊富なバリエーションを提供
 味千ラーメンが中国の店で提供している商品も日本の店と違う。ラーメンについて言えば、基本のスープと麺は見た目では同じようだが、トッピングが大きく異なる。中国人の嗜好に合うようなさまざまな種類のトッピングを提供しているのだ。

 例えば、麺の上に大きな皮付きの海老を数尾トッピングした「エビラーメン」。皮付きのエビ、とくに有頭エビは見た目で形が良いだけではなく、脳みそが入っているので、むきエビよりおいしい。しかし、皮をむくときに手が汚れるといった理由で日本では敬遠されがちなのか、日本の店ではあまり見かけない。中国の店では客は平気でむいて食べている。これは習慣の違いだ。

 さらに、ラーメン以外の日本食メニューも数多く提供している。日本でのラーメン店のメニューと言えば、チャーハン、焼きギョーザ、定番の炒め物が主流だが、中国では、それより、かなり多くの種類の料理が提供されている。日本の居酒屋やファミリー・レストランのように、すしや焼鳥なども提供している。さらに、人気に応じて品ぞろえを変えるといった配慮もしている。同じメニューだけでは、美味しくても、飽きられてしまう恐れがあるからだ。


有頭エビが載せられたラーメンのメニュー写真


有頭エビが載せられたラーメンのメニュー写真
③本質の味を守る
 しかし、実際に食べてみれば、日本の店と変わらない部分もあることが分かる。トッピングやサイドメニューの種類がどんなに多くても、また店舗の形式がいかに違っていても、看板メニューであるラーメンの味は、日本とあまり変わらないと個人的には感じている。トッピングに違いはあっても、麺とスープの味のバランスはしっかりと守られているではないかと思われる。つまり、日本のラーメンの特徴、言い換えれば、ラーメンの本質であるスープの品質をきちんと守っている。もちろん、味は絶対変えられないものではないが、長い時間をかけて作り込まれた日本のラーメンの味は中国人にとっても魅力があるのだ。

 ラーメンの味以外にも味千ラーメンが日本と変えていないものがある。
日本式の丁寧なサービスと店舗の清潔さだ。現地の友人に聞いてみると、ほとんどが「好吃」(Hao Chi。おいしいの意味)と言って、味が気に入ると同時に、日本式の丁寧なサービスと店舗の清潔さに感心しているようだ。中国の一般的なレストランでは、サービス面はなおざりにされがち。おもてなしと言われる日本のサービスは、ラーメンの味以外に、もう1つ守るべき重要な“味”だろう。

“入り交じり”によるイノベーション 
イノベーションは風土や環境とも密に関係している。慣習や常識のワナで、新たなカタチを作るのは簡単ではない。新天地でのチャレンジで、思い付かないアイデアや普段考えられない発想が生まれているのだろう。

 日本のラーメンの「味」と中国ならではの「場」が入り交じることで、ラーメンのイノベーションが起きた。地理的には中国発のラーメン・イノベーションと言えるが、味千ラーメンの中国での成功の陰には、日本側と中国側のパートナーによる共同作業があったはずだ。元々、日本のラーメンは、中国から入ってきた中国式のラーメンを日本式にアレンジして生まれた。国境を越えて、異国文化が入り交じる。それにより、新たなラーメンが生み出されてきたのだ。

 熊本の味千ラーメンは、日本の地方の多くの企業と違って、東京進出に目線を置くのではなく、最初から海外を狙っている。グローバル化されている現在、東京を制し、そして日本全土を制してから海外へ進出するというパターンではなく、初めから海外を見据え、未開拓の新天地を狙った方が、むしろ成功の可能性が高いかもしれない。

 味千ラーメンは、中国の市場に合わせて、変えるべきところは変えた。一方で、日本企業の強みの本質をしっかりと把握し、守るべきところは守った。このような形のローカライズを行って中国で成功していることは、日本の他産業においても参考になるのではないだろうか。




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