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ウェアラブルコンピュータがなぜ再び脚光を浴びているのか?

MONOistより。
ウェアラブルコンピュータがなぜ再び脚光を浴びているのか?


ウェアラブルコンピュータ


今なぜウェアラブルコンピュータが脚光を集めているのか?
ウェアラブルコンピュータという発想自体は取り立てて新しいものではありません。
ですが誰もが高機能・高速通信機能を持つスマートフォンを持ち歩くようになった今の時代、
この「古くて新しい」コンセプトが現実味を帯びて考えられ始めています。

ちょっと前にも「ユビキタス」というワードが話題となりましたが、
いつの間にか誰もがどこでも小型のコンピュータを持ち、
ネットワークに手軽にアクセスできる時代になりました。
(とはいえまだ日本国内でもスマートフォン普及率は40%程度だそうですが)
改めて言葉として意識しなくなっている今がまさに「ユビキタス」時代なのだと思われます。
情報インフラとそれに手軽にアクセスできるデバイスが揃ったことで
ライフログなどの大容量のデータの記録・処理が容易になりました。
ウェアラブルな端末は情報の表示・測定機能にとどめ、大量のデータはネットワーク上に
保管しておけばいいわけです。
この状況がウェアラブルデバイスが脚光を浴びている背景なのだと思います。

ビッグデータという言葉も飛び交っていますが個人に帰属するデータを
「誰が」「どのように」管理するかが今後更に重要になってくると考えられます。


記事本文は追記にて。
「モバイルファースト(Mobile First)」という言葉について、本コラムで触れたのは2011年7月のこと。筆者がこの言葉を初めて耳にしたのは2009年ごろだと記憶している(関連記事1)。

 その後、この言葉はさまざまな形で引用され、その意味(ニュアンス)も時の流れとともに少しずつ変容してきた。例えば、IBMがエンタープライズ向けのアプリケーションやサービスを、モバイルファーストで提供していくという戦略を発表したのは、今年(2013年)になってからだ(発表文)。

IBMが顧客に語りかけているのはごく当たり前の話で、簡単に説明すると、「スマートフォンやタブレット端末といったデバイスが、誰もが使える当たり前の道具として広まり、“モバイル革命”が巻き起こった。今度は、ソフトウェアもそれに合わせて変化すべきだ!」というもの。「だから、これからシステムのアップデートを行う場合は、“モバイルファースト”の新しいノウハウを持つ自分たち(当社)と一緒にやりましょうね」というのがIBMの狙いだ。

2009年、筆者が初めてこの言葉を耳にしたころは、今ほどスマートフォンとその上で動作するアプリケーションプラットフォームへの意識は強くなかった。また、当時はタブレット端末の地位を押し上げたAppleの「iPad」が登場する前とあって、インターネットを使いこなす道具としては、まだPCが主流であった。

 モバイルファーストの考え方が登場し始めたこのころ、その意味を尋ねると、「インターネットにしろ、社内向けアプリケーションにしろ、Webのユーザーインタフェースをデザインする際は、PCではなく携帯型端末(主に、スマートフォン用のWebブラウザ)を意識すること」という答えが返ってきた。

 当時のWebデザインの多くはPCを前提に作られており、せいぜい、ちょっと気の利いたデザイナーが、モバイルブラウザ用にカスタマイズを行うといった程度でしかなく、機能の面でもサブセットになっていることが多かった。つまり、モバイルファーストの登場は、当時のWebデザインにおけるPC画面の優先順位が下がったことを意味していた。

使い古された“モバイルファースト”

 その後の“モバイルファースト”という言葉の使われ方を追い掛けてみると、Webデザインの話だったものが、Webを通じたサービス設計にまで広がっていく。そして、スマートフォン向けアプリケーションを前提にサービスを作っていくことを示すようになったり、そもそも事業計画を組み上げるときにスマートフォンをどう活用すべきなのか、あるいはハードウェア製品を企画する際にスマートフォンとどう連動させるのかを最初に考えるべきだ、といった考え方だったり……。とにかく、“モバイルファースト”という言葉は、スマートフォンとの組み合わせを前提に何かを語る際の“おまじない”のように使い古されてきた。


今では、ハードウェア製品やサービスなどがスマートフォンと連動するのは当たり前であり、差別化要素にならなくなってしまった。今から何かのハードウェア製品なり、サービスなりを設計する際、わざわざ「今回は、モバイルファーストでやりましょう!」などと公言したら、きっと何かのギャグだと思われるだろう。言い換えれば、それぐらい当たり前のこと、世の中のインフラに近づいてきた、ということだ。だから、今さらそんなことを標語にコンセプト作りをしても遅いのだ。

 そこで、これを1つの「潮目の変化」と捉えてはどうだろう。モバイルファーストなデザインは、ハードウェア、ソフトウェア、サービスといった全てにおいて当たり前。当たり前の基盤なのであれば、今後登場するであろうさまざまなハードウェア製品やサービスは、どれもモバイルファーストで作られていることになる。新たなルールが当たり前になり、前提条件が変化すれば、製品のデザインアプローチも変化する。


ウェアラブルコンピュータがなぜ再び脚光を浴びているのか?

 さて、言葉としては使い古された“モバイルファースト”だが、その考え方が進んだ今日、あらゆる情報やアプリケーションは、スマートフォンに集約されている。また、ご存じのように、昨今はタブレット端末も伸び、スマートフォンと同様のアプリケーションが用意されることが多くなった。そのため、こうした情報の流れの変化はさらに加速し、公共サービスを含む“社会インフラ”として定着していくものと思われる。

 スマートフォンをきっかけに、Webやアプリケーションの構築手法のトレンドが変化してきたが、今度は、これが端末のトレンドにフィードバックされる時期だ。Webやアプリケーションが隅々まで
“モバイルファースト化”(“スマホ化”と言い換えてもいい)し、スマートフォンという製品カテゴリーそのものが、誰もが当たり前に使用するプラットフォームの一部になってくるだろう。

 昨今、話題になっている「Google Glass」をはじめとするウェアラブルコンピュータ、すなわち身に付けるように使う小型コンピュータが、時を越えて再び脚光を浴びているのも、スマートフォンというハードウェア分野がプラットフォームとして
定着し始めていることを示しているのかもしれない。

Googleが開発するメガネ型ウェアラブルコンピュータ「Google Glass」。写真は、開発チーム「Project Glass」のメンバーであるグレッグ・プリースト・ドーマン氏が度付きのGoogle Glassのプロトタイプをかけている様子(公式Google+に公開されたもの)
Googleが開発するメガネ型ウェアラブルコンピュータ「Google Glass」。写真は、開発チーム「Project Glass」のメンバーであるグレッグ・プリースト・ドーマン氏が度付きのGoogle Glassのプロトタイプをかけている様子(公式Google+に公開されたもの)

メガネのように装着するGoogle Glassは、片眼の視野に重ねるよう表示を行うディスプレイを配置。動画や静止画を撮影するカメラやヘッドセットの
機能も兼ね備えており、スマートフォンと連動することで、多彩な機能やサービスを交えた、新しいユーザー体験を提供する。Google Glassは、スマートフォンの周辺デバイスとしてではなく、それ自身を独立したコンピュータとして設計することで、ウェアラブルコンピュータとしての機能が保たれている。



 Google Glassに搭載されている各種機能は、音声認識で利用できる。予定表、交通案内、天気予報、着信通知、テキストメッセージの表示、音声認識を活用したテキストメッセージの返信、静止画や動画撮影などが可能だ。ただし、Google Glassに通信機能は備わっておらず、Bluetoothでスマートフォンに接続してテザリングで通信を行うことになる。つまり、Google Glassは、誰もがスマートフォンを所有し、スマートフォンに情報が集まることを前提に開発された製品ということだ。

スマートフォンの普及率(日本国内)が、まだ40%に達していない現時点(原稿執筆時点)で、“スマートフォンが世の中のインフラである”と考えるのはナンセンスかもしれないが、今後、この数字が50%を越えて徐々に100%に近づいていくことは間違いないだろう。今から何らか製品を企画するのであれば、ソフトウェアやサービスにおけるモバイルファーストと同じように、
“スマートフォンをインフラとして捉える”のがよいのではないか。

 昨今、各種センサーを内蔵し、身に付けているだけで各種情報を収集。その結果を分析してくれるライフログのための周辺デバイスが
流行の兆しを見せているが、それらもスマートフォンの普及が大前提にあるといえる。

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ソフトバンクBBと米Fitbitが発売するiPhoneiPad用ワイヤレス活動量計「fitbit」シリーズ。iPhoneiPadとはBluetooth 40で接続。歩数や消費カロリーなどのライフログをチェックできる。(左)「fitbit zip」、(右)「fitbit one」
ソフトバンクBBと米Fitbitが発売するiPhone/iPad用ワイヤレス活動量計「fitbit」シリーズ。iPhone/iPadとはBluetooth 4.0で接続。歩数や消費カロリーなどのライフログをチェックできる。(上)「fitbit zip」、(下)「fitbit one」

Google Glassにしろ、各種ライフログデバイスにしろ、そのベースとなるアイデアは、以前からあったものだ。もちろん、技術の進歩によって、ようやく製品として通用するようになったともいえるが、スマートフォンが通信とコンピューティングの基礎的な機能を提供しているからこそ、成り立っている面もある。

 いかがだろう。このあたりで過去を一度振り返り、現在という時間軸で製品やコンセプトを見直してみてはどうだろうか。

 例えば、社会インフラの中に各種センサーを配置しておき、より心地の良いライフスタイルを送るための補助的な情報を提供するというのはどうだろう。
センサーネットワークを用いたアプリケーションは、さまざまなコンセプトが提案されてきたが、
スマートフォンを前提にするならばアイデアは広がるだろう。

 ご存じのように自動車の電子装備などは、既に変化が始まっている。今やカーナビゲーションシステムやカーオーディオといった車載情報機器に
Bluetoothが備わり、無線で音楽を再生できるのは当たり前。
スマートフォンの地図アプリケーションと連動したり、スマートフォンの通信機能を活用したりというのも、ごく自然な流れといえる。スマートフォンの持つパワフルな機能を、もっと積極的に活用できるようになるのも時間の問題だろう。

ホンダは同社の純正カーナビ向けサービス「インターナビ・プレミアムクラブ(以下、インターナビ)」の機能を活用したカーナビゲーションアプリを「iPhone」向けに開発。写真はインターナビアプリを組み込んだiPhoneと連携動作が可能なディスプレイオーディオを接続した状態(関連記事2)
ホンダは同社の純正カーナビ向けサービス「インターナビ・プレミアムクラブ(以下、インターナビ)」の機能を活用したカーナビゲーションアプリを「iPhone」向けに開発。写真はインターナビアプリを組み込んだiPhoneと連携動作が
可能なディスプレイオーディオを接続した状態(関連記事2)

 あるいは、マッサージチェアにセンサーを内蔵させておき、マッサージを楽しむ度にそのログが記録されていけば、クラウド側のサービスとスマートフォンのアプリケーションで、何らかの情報やアドバイスをユーザーに提供できるかもしれない。

 やや荒唐無稽に感じるかもしれないが、毎日仕事の道具として使っているPCも、スマートフォンとの関係を見直せば、新しい使い方を提案できるのではないだろうか。PCを主語として語る時、かつての携帯電話機は、常にPCから利用する周辺機器でしかなかった。しかし、モバイルネットワークを通じて、個人にひも付いたさまざまな情報が集まってくるスマートフォンとPCとの間を、単純な主従関係で結ぶのはナンセンスだろう。

 PCとスマートフォンを“対等な位置関係”に置いて考え直すことが、PC(特に、常に持ち歩くモバイルPC)の向かうべき方向なのかもしれない。

 製品を作っているわけではない筆者が、これ以上、具体例を語るのは陳腐なことだ。しかし、思い返してみよう。大きなイノベーションの後、刷新された新たな環境の中で、使い古されたはずのコンセプトが見直された例はたくさんある。まずは、身の回りを見直してみてはいかがだろうか。

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