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シャープ関連 続報-サムスンの思惑

前記事の更に続き。

サムスン Photo by Naoyoshi Goto
Photo by Naoyoshi Goto


今回のシャープ-サムスンの業務提携についてはサムスン側の思惑についても色々と取沙汰されています。
シャープといえば液晶事業という印象ですが、実のところ複写機事業でも世界シェアで5位(9.7%)と
なっており、この複写機事業は上位を日本企業が独占している業界です。
一方サムスンのシェアは1%未満と存在感はまだまだとなっています。
サムスンが示した協業シナリオの中にはこの複写機事業が含まれているとの情報もあり、
単に液晶事業の提携だけでなく、それ以外の分野においても虎視眈々と狙っている可能性があります。
もちろん今回の提携については液晶事業であり、本ブログでも以前触れましたが、
韓国LG電子に後れを取っている有機EL市場への参入に対してのバックアップ策/つなぎ策として
シャープが世界で唯一保有するG10サイズの大型液晶を利用するという目論見が推定されています。
いずれにせよ、短期的にも中長期的にも今回の提携で一番得をしているのはサムスンなのではないでしょうか。

週刊ダイヤモンドより。
溺れるシャープに手を差し出す サムスンが狙う本当の“獲物”
ロイター通信より。
焦点:サムスンのシャープ出資、ディスプレー事業出遅れの焦りを反映


下の「続きを読む」にも記事を掲載しています。 週刊ダイヤモンドより。
溺れるシャープに手を差し出す
サムスンが狙う本当の“獲物”


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 サムスンはそんなに甘い会社ではないはずだ──。

 経営再建中のシャープは6日、韓国サムスン電子と資本提携をすると発表した。
サムスンの日本法人を引受先とする第三者割当増資を実施(1株290円)し、発行済み株式の約3%に当たる
104億円の出資を受けることになる。
 資本増強に向けての前進と受け止められ、市場ではシャープの株価が急上昇。
一時356円と2割近くも上がり、約1カ月ぶりの高値をつけた。
 実のところ、世界最大のテレビメーカーとなったサムスンは、以前からシャープの上客だ。
 生産能力を持て余している亀山第2工場は昨年、「担当役員がサムスン詣でを繰り返して、
月産30万台以上(32型テレビ用)の受注を決めた」(シャープ関係者)ことで、ギリギリの稼働率を保っている。

また、省エネルギーに優れた“虎の子”の液晶パネル「IGZO(イグゾー)」も、
すでに「サムスン製のパソコン向けなどに生産が内定している」(業界アナリスト)ため、
亀山第2、堺工場という主力工場のざっと3割がサムスン向けで埋まっているのである。
 かつての宿敵ではあるものの、「大口顧客から出資を受けるのは自然なこと」と、
サムスンの出資を経営再建への前向きなニュースとして受け止める社員すらいる。

 しかし、したたかなサムスンの狙いは他にもありそうだ。

「サムスンが示した複数の協業シナリオに、複写機事業が含まれている」と、
複数のシャープ関係者は不安な胸中を明かす。

シャープは電卓を主力製品としていたことから、オフィス向け事業に地道に取り組み、複写機も40年以上の
歴史を持つ。部門の売上高は約2900億円、利益率は7.2%の優良事業に育っている(2012年度通期見込み)。
 そしてこの複写機こそ、今や日本メーカーが世界シェアを独占する数少ない領域の一つだ。
 調査会社のIDCによると、複写機の世界シェア(12年、A3判対応機種)では、1位リコー(19.3%)、
2位キヤノン(18.0%)、3位ゼロックスグループ(16.5%)に続き、シャープは5位(9.7%)につける。
 年間何万枚と印刷しても壊れず、紙詰まりもしにくい緻密な機械構造、素早く書類を読み取る光学部品と
半導体技術、そしてトナーなどの化学材料は、各メーカーの「秘中の秘」。
さらにサービス網がなければ企業向けのビジネスはできない。
 日本のお家芸を結晶させた商品だからこそ高い利益率を維持できており、
プリンタ事業に注力するサムスンもこの領域ではシェア1%未満と相手にならない。

そんなサムスンが溺れるシャープに垂らした糸は、再建への命綱か、
それとも“獲物”を狙う釣り糸なのか、その結果は近いうちに明らかになるはずだ。
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ロイター通信より。
焦点:サムスンのシャープ出資、ディスプレー事業出遅れの焦りを反映


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[ソウル 8日 ロイター] 
韓国のサムスン電子は6日、経営再建中のシャープに1億1100万ドルを出資すると発表した。
これによって浮き彫りになったのは、サムスンがもはやディスプレー事業において
世界で文句なしの先頭ランナーではなくなっているという、同社にとって不快な事実だ。

同じ韓国のライバル企業、LGディスプレーは昨年、液晶ディスプレー(LCD)生産で
サムスンを抜いて世界第1位に躍り出た。またLGエレクトロニクスは、
次世代の有機発光ダイオード(OLED)テレビの販売でサムソンをしのいでいる。
このOLEDの技術に、サムスンはディスプレー事業の将来を託しているのだ。
さらには出資先のシャープですら、薄型テレビ向け最新LCD生産技術の一部でサムスンより先行している。
こうした中でシャープへの出資はサムスンにとって、シャープの技術にアクセスできる機会となる。
そればかりか、ある程度のキャッチアップが必要と多くのアナリストがみている自社のディスプレー事業に、
発破を掛けられるだろう。
トムソン・ロイター・スターマインで最高の評価を得ている業界アナリストは
「これはある意味で、サムスンが社内のディスプレー事業に対して発した警告のメッセージだ」と解説した。

<OLEDテレビのパネル開発が課題>

サムスンのシャープへの出資は議決権ベースで3%と象徴的な意味合いしかなく、
37兆4000億ウォン(345億ドル)の現金を保有する同社にとってはごくわずかの金額にすぎない。
そうした中でサムスンにとって大きな課題は、この出資を利用してOLEDテレビのパネル開発を
軌道に乗せることになるだろう。
サムスンはスマートフォン(多機能携帯電話)市場での「ギャラクシー」ブランドの成功が一因となって、
OLED技術への移行を加速させた。
ギャラクシーのディスプレーは明るく、電力消費が節約されるという特徴があり、
昨年はサムスンを世界第1位のスマートフォンメーカーの地位に押し上げた。
現在、小型のスマートフォン向けOLEDディスプレー市場でサムスンはほぼ市場を独占する。
1日当たり約50万枚を生産し、2桁の利益率を生み出している。
しかしサムスンは、OLEDテレビの生産では苦戦を強いられている。
従来の「RGB方式」に縛られているが、この技術は大型ディスプレーへの適用が難しいためだ。
これに対してLGのOLEDテレビは、製造コストが安く、
不良品率が低下して生産性が上がる「ホワイト方式」を採用している。

<シャープにつなぎ役期待>

LGが55インチ型を1万ドル強の価格で販売しているOLEDテレビは、
低調な経済状況を反映して停滞が続く世界のテレビ市場においても、
利益率を高められる次世代の高価格帯製品と目されている。
ただ、サムスンはOLEDテレビのディスプレー開発の遅れにより、LCDを利用した
超大型テレビの分野で次のヒットを求めざるを得なくなった。
BNPパリバのアナリスト、ピーター・ユー氏は「(OLED)プロジェクトの後退で、
サムスンはそれに代わって、人気が高まっている60インチを超える超大型ディスプレーテレビで
市場をリードする計画だ」と話した。
そこでシャープの出番となる。シャープは世界で唯一、第10世代と呼ばれる液晶ディスプレーの
マザーガラス製造工場を保有する。この工場は、60インチのディスプレー8枚にカットできる
3平方メートルのマザーガラスを作ることが可能。
アナリストによると、3枚分にしかカットできない第8世代のマザーガラスに比べてずっと効率が良い。
サムスンの40インチと60インチの液晶ディスプレー工場は、第7世代と第8世代だけ。
またOLEDへの戦略的な技術転換を踏まえて、より大型のマザーガラスを製造する工場への
投資は手控えている。

NHインベストメント&セキュリティーズのアナリスト、リー・スンタエ氏は
「サムスンがOLEDを強力に推進するのは、OLEDがLCDに優越するあらゆる要素を考えれば、
適切な決定だ。しかし約束が実際の製品投入に対して先行し過ぎているため、
ちょっとした問題が発生している」と述べた。
同氏は、サムスンとシャープの資本提携は、サムスンにとってOLEDテレビ技術の開発が順調になるまでの間、
市場に参戦し続ける上で有益な手段だとの見方を表明。
「サムスンは第10世代のマザーガラス製造工場を建設するのに比べて、
ほんのわずかの金額で大型ディスプレーを製品ラインに加えられるので、間違いなく良い取引だ。
サムスンはシャープが資金面で困窮している状況をうまく利用した」と語った。
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  • 2013/1よりディスプレイ周りの技術情報を掲載。

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