電機大手の業績に暗雲 中国のスマホ伸びず円高も加速

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電機大手の業績に暗雲 中国のスマホ伸びず円高も加速

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国内の電機・デバイス大手の業績の先行きに暗雲が広がってきています。
中国経済の減速やスマートフォン(スマホ)の伸び率鈍化に加え、
足元の急速な円高も懸念に拍車をかけています。
金融市場が大揺れの中、現在の状況は一時的な踊り場なのか、潮目が変わったのか。
業界事情に詳しい市場関係者は見極めが必要だと指摘しています。



<中国、新興国が業績に影響>

大手電機の中で業績好調組の日立製作所(Hitachi)とパナソニック(Panasonic)の2社が、
2016年3月期の営業利益予想を下方修正しています。
日立は従来予想比7.3%減の6300億円、パナソニックは同4.6%減の4100億円に見通しを引き下げています。

日立の中村豊明副社長は15年度第3四半期決算会見で、下方修正について
「中国や資源国の経済減速が大きい」などと説明。
中国向けの建機やエレベーター、産油国でのプラント向け設備などが落ち込んでいるとのこと。
中国の状況について中村氏は、「ビル、不動産は立っているが、入居者が見つからない
マンションが地方で出ている。調整に時間がかかる」と語っています。

パナソニックの河井英明専務は、「中国でのエアコン、デバイス事業やICT(情報通信技術)向け二次電池などの
販売低迷は下期に入り加速した」(同会見)と話しています。

<スマホの成長鈍化、影響が顕在化>

近年、デバイスやICT関連の需要を牽引してきたスマホは、ここにきて成長鈍化の傾向が鮮明となり、
その影響がビジネスの現場に波及し出しています。

調査会社IHSテクノロジーによると、2016年の世界のスマホの出荷台数は前年比6%増の15億6400万台の見込み。
11年は64%だった対前年伸び率は一桁台に下がってきています。
世界最大のスマホ市場である中国での16年出荷台数はほぼ横ばいの見通しです。

スマホ中心にモバイル向けが売上高全体の8割強を占めるジャパンディスプレイ(JDI)では、
15年4ー12月期まで239億円の黒字だった営業損益が16年1-3月期は19億円の赤字になる見込みです。
JDIの有賀修二社長は、「中国域内のスマホ動向は、1-3月期は市場全体が相当スローダウンしている。
かなり在庫調整が入っている」(決算会見)などと述べています。

ソニー(Sony)は、スマホに搭載されるカメラモジュール事業について、「将来の需要見込みが減少しており、
カメラモジュール事業に関する長期性資産の減損につながる可能性がある」(吉田憲一郎副社長 決算会見)と、
注力分野への影響に懸念を示しています。

三菱電機も、「6月くらいからスマホ向けのファクトリー・オートメーション設備の受注が大きく落ち込んだ」
(松山彰宏常務)と説明。影響はスマホ産業を支える周辺分野に波及しています。

<円高、影響にはバラつきも>

電機大手各社が直近の決算会見を終えた直後、対米ドルの円相場は外為市場で
一時110円台を付けるなど急激な円高が進行。ただ、一段の円高が続いた場合でも
影響度合いは各社によって異なります。

テレビなどの海外生産が進んだソニーでは対ドルの場合、1円の円高で営業利益で年間70億円の
プラス影響がでるとのこと。パナソニックでは対ドル1円の円高で営業利益へのマイナス影響は同9億円。
為替に影響を受けにくい体質づくりを進めているとしています。

カメラや事務機で国内生産回帰の方針をとってきたキヤノン(Canon)の場合、他の電機大手に比べ
円高の影響が大きく、対ドル1円の円高だと営業利益を同46億円を押し下げるとのこと。
16年12月期業績見通しで示した為替想定は対ドル120円で、足元(2月12日午後の東京市場)から
8円近い開きがあります。

村田製作所は、対ドル1円の円高で営業利益を同35億円押し下げるとのこと。
スマホの伸び率鈍化の影響については、「高機能化で来年度も10%から20%、(電子部品を)数量的には伸ばせる」
(藤田能孝副社長)と強気ですが、国内生産比率(約7割)という事業構造のため、円高が一段と進んだ場合、
来期以降は近年の好業績に水を差しかねない形です。

中国経済の減速など足元の環境変化が電機セクターに与える影響について
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「マーケットは大揺れだが、いまはまだ懸念に過ぎない。
懸念が実体面を傷つけると困るが、そうなるかどうか見極めている最中だ」と述べています。
ハイテクセクターに詳しい秋野氏は足元の円高について、「一時的な現象だ。ファンダメンタルズとは乖離している。
『何とかショック』にならない限り長くは続かないと思う」などと語っています。

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