慶大、ポリカーボネート上に透明シリカ薄膜を成膜−車部品の硬度実現

日刊工業新聞
慶大、ポリカーボネート上に透明シリカ薄膜を成膜−車部品の硬度実現

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鈴木教授らが開発したプラズマ成膜装置(慶大提供)

慶応義塾先端科学技術研究センターの鈴木哲也所長(慶応義塾大学理工学部教授)らは、
ポリカーボネート上に透明シリカ薄膜を成膜し、自動車部品として実用レベルの硬度を実現したと発表しています。



硬度はガラスの23%減程度ですみ、曲面への成膜が可能。
ポリカーボネートの比重はガラスの1/2と軽いため、自動車のサイドガラスやサンルーフなどの軽量化に
つながるとしており、3年内に成膜効率を自動車産業の要求レベルまで高めるとしています。

ポリカーボネートの基板上にアクリル系樹脂膜を成膜し、その上にシリカ薄膜を積層しています。
樹脂を挟むことでシリカ薄膜の剥離を抑えられるとのこと。
ガラスの硬度が約7GPaなのに対し、シリカ薄膜の硬度は最高で5.41GPaで、
自動車メーカーの求める硬度3-5GPaを実現。
耐摩耗性に関してもガラスの代替物として使える基準を達成したとしています。

プラズマを10cm幅のライン状に噴射する大気圧プラズマ気相成長装置を開発。
プラズマで原料ガスを分解して吹きつけ、ケイ素原子をポリカーボネート基板上で結晶化させるとのこと。
プラズマ噴射ヘッドはサイドガラスの形状に沿って動かせるため、曲面への成膜が可能になったとしています。

プラズマ噴射ヘッドを分速1mで動かすと、厚みが1-2nmのシリカ薄膜ができ、
硬度を下げれば成膜効率を上げられるとのことです。
ポリカーボネート基板の加熱温度は80-100℃ですむため、熱源に温水を活用できるとしており
真空を保つ必要もなく、製造コストを抑えられるとしています。

鈴木研究室HP
http://www.suzuki.mech.keio.ac.jp/index.html

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