自動運転の実現はまだ遠く、トヨタがCESで語る

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自動運転の実現はまだ遠く、トヨタがCESで語る

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Toyota Research InstituteのCEOであるGill Pratt氏

トヨタ自動車(以下、トヨタ)は、米国ラスベガスで開催中の「2016 International CES」で、
人工知能の研究開発のために設立した新会社「Toyota Research Institute(TRI)」について説明しています。
今後5年間で、10億米ドル(約1180億円)を投入する予定。ここで研究される人工知能は自動車向けのもので、
機械学習なども含まれています。


<自動運転の実現は、まだ遠く>

TRIのディレクターを務めるGill Pratt氏は講演で、
「予期せぬ状況においても完全に自動運転できるクルマの実現には、まだ長い道のりがある」と強調しています。
自動運転車への急速な移行に関するトヨタのこうした見解は、
今回のCESに出展している他の自動車メーカーとは対照的なものとなっています。

トヨタの米国法人であるToyota Motor Sales(TMS)の自動車部門でバイスプレジデントを務める
Robert Carter氏は、「理論的には、高性能なクルマは、人間よりも素早く対象物を発見し、反応する」としています。
ですが、Pratt氏は「運転というものは、ほとんどの場合は容易である」としています。
「問題は、(アクシデントなどで)運転が難しい状況に陥った時でも完璧に自動運転を続けられるかどうかであり、
TRIは、そうした非常に難しい技術課題を解決しようとしている」(Pratt氏)。

TRIでは、米国スタンフォード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)と、人工知能の共同研究を行います。
同研究での最優先テーマは、「予期せぬ状況に反応するよう、クルマに“教える”こと」と、
「クルマが意図しない動きをしていないか、監視するシステムを確立すること」になるとのこと。

<自動運転は、トヨタが生き残る鍵>

Pratt氏は、「意図せぬ急加速問題」に関わる一連の出来事から学んだ教訓を強調すべく、
「われわれは、仕組みを理解できないものを信頼することはできない」と述べています。

“難しい運転”についてPratt氏は、「ドライバーにしろ自動運転車の設計者にしろ、過酷な気象条件や、
ある程度の速度範囲、交通量による課題など、さまざまなことに自動運転車が反応できるかどうかについては、
懐疑的な見方をしている」との見解を述べています。
Carter氏は、機械学習の進歩により、こうした領域における自動運転技術は向上すると話しています。
ただ、両氏とも、自動運転においては、コンピュータと人間のドライバーの“チームワーク”が
重要になると強調しています。

Pratt氏は、TRIを「トヨタが“衝突事故を起こさないクルマ”を開発するための中核」と位置付けています。
ただし同氏は、その目標を達成することの難しさも強調。
さらに大きなハードルとなっているのが、多くの消費者は、自動運転車が犯すミスを容認できないであろうということ。
Pratt氏は、「われわれは、マシンは今よりももっと進化すると考えている。ほぼ完璧になるだろう」と述べており、
自動運転はトヨタが生き残る鍵になると考えています。

Carter氏は、将来の燃料として水素についても言及しています。
トヨタは2015年1月に、燃料電池車の全特許5680件を無償公開すると発表しています。

>トヨタの燃料電池車特許の無償公開に見る、4つの論点

Pratt氏も、水素で走る「ゼロエミッション」のクルマは、自動車の未来を表していると同意したとのことです。

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