量子ドットセンサー、CMOSセンサーの脅威に?

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量子ドットセンサー、CMOSセンサーの脅威に?

Invisage_Tech_Quantum13_image.jpg
「Quantum13」のイメージ 出典:InVisage Technologies

米国のInVisage Technologiesが、シリコンの代わりに量子ドットフィルムを使用して
画像をキャプチャーする13Mピクセルのセンサー「Quantum13」を発表しています。
同社は、これまで9年間にわたり、1億米ドルを超えるベンチャー投資資金を調達して開発に取り組んできています。


最初のターゲットとして、スマートフォン市場に狙いを定めるとのこと。
ただし同社は、「Quantum13は、CMOSイメージセンサーに対して、全てとはいえないにしても
ほとんどの仕様において勝っていると主張しています。

InVisage Technologiesは、2006年の設立以来、シリコンに代わる感光性材料の開発に取り組んできています。
同社は中国 北京において、シリコンの代わりに量子ドット材料を使用して光検出を行う
電子イメージセンサーを発表しています。同社は「世界初」としているとのこと。
同社は、「Quantum13は、シリコンイメージセンサーを衰退へと導くことになるだろう」と主張しています。

InVisage Technologiesは、今回北京で行った発表イベントにおいて、Quantum13センサーを搭載した
試作スマートフォンのデモを披露しています。同社のCEO(最高経営責任者)であるJess Lee氏は、
試作スマートフォンを手掛けたメーカー名については明かそうとしませんでしたが、EE Times Europeの取材に応じ、
「現在、Quantum13のサンプル出荷を開始している。2015年第4四半期には、複数の顧客企業に向けて
量産を開始する予定だ」と述べています。

Lee氏は、「量子ドット材料は、II-VI族の金属カルコゲナイドを用いた広帯域光吸収体だ。
光学的に透明なキャリア材料の中で結合させた材料のナノスケール微粒子を用いて、量子を閉じ込めると、
極めて効率の高いフォトダイオードが出来上がる。これにより、既存のシリコンフォトダイオードの
アクティブエリアよりも薄い薄膜を実現することができる。シリコンフォトダイオードに必要な厚みが
2μm~3μmであるのに対し、量子フィルムはわずか0.5μm程度で済む」と述べています。

実際に撮影した画像の比較

Invisage_Tech_compare_Kodak_image.jpg
コダックのフィルムを使用して撮影した画像

Invisage_Tech_compare_Si-ImageSensor_image.jpg
シリコンのイメージセンサーを使って撮影した画像

Invisage_Tech_compare_Quantum13_image.jpg
Quantum13を使って撮影した画像

13Mピクセル×1.1μmピクセルピッチのQuantum13センサーは、
8.5mm×8.5mmのモジュールにフィットする設計となっています。
また、シリコンと比べて光吸収速度が8倍になるため、グローバルシャッター(電子シャッター)に使うことが可能です。
さらに、0.5μmの薄膜を使用することで、光の入射角が大きくなり、
厚さ4mmのカメラモジュールを実現することができます。
カメラモジュールの薄型化が実現すれば、スマートフォンのさらなる薄型化も可能になるとのこと。

InVisage Technologiesは、今回のイメージセンサーの想定価格を明らかにはしていません。
量産規模や、パートナー企業との提携の内容に依存するとだけ話したとのこと。

>量子ドットのInVisage、台湾のイメージセンサー工場落成

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