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人工知能から考える「知性」

http://ascii.jp/elem/000/000/417/417954/
「酢鶏」作者が語る「一家に一台、人工無脳」の未来像

2009年と、もう4年前の記事ですが、
前回記事でちょっと話題にした「人工無脳」酢鶏の作者のインタビュー記事です。

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興味深いところをいくつか。


過去の会話ログから似たような流れを抽出して言葉を選ぶのが基本のプログラムになるんですが、
少し喧嘩腰の会話の流れがあったとして、
酢鶏が「氏ね!」などの言葉を拾ってきたらマズいですよね。
あと、誰かの個人情報が書き込まれているログを拾ってしまうのも問題です。
その辺りの調整を続けて、そうしたワードをピックアップしないようにする
フィルターを加えていく作業が必要になるわけです。

いわゆる「空気を読む」というやつですね。
「空気を読まない」というのが酢鶏の面白さですが、
確かに完全にランダム抽出だと、とんでもない語句を拾ってきてしまうため
ある程度の調整が必要なようです。
これ、小さい子供が外で変な言葉を覚えてきたときに
「そういうことは言ってはいけません」って教えるのと同じじゃないかと思うのです。
そう考えるとやはり情動(というより社会性?)が発達していない子供のうちって
会話ボットと同じでひたすら外部からの刺激を吸収している状態なんですね。
そこに意味を見出す、自分で考えるようになるのってどういうメカニズムなんでしょうね。



私が考える人工無脳の価値というのは、プログラムが作った文章単体ではなく、
その文章を介して起こるコミュニケーションです。
酢鶏がちょっとズレたコメントを出したときに、「おいおい! スゲー飛んだな!」と
盛り上がるなら、それは価値があると思うんですよ。
もちろん、そうした面白みが出るためには人工無脳を楽しんでくれる人が必要です。
つまり、受け手側となる人間に依るところが大きいんですよ。

さっきの話もそうですが、子供との会話も受け手側の大人がどう対応するかで
社会性がどう形成されていくかが異なると思うのです。
人がどうやって社会性を持つ生き物になっていくのか、
動物はどうやっているのか?
行動心理学や社会学の領域に人工知能というテーマは問いを喚起してくれそうです。



実際のところ、「酢鶏2」や「酢鶏3」を作る計画はあるんですけど、
現在の酢鶏とは別の性格になってしまうんですよ。
以前、こっそり酢鶏に「酢鶏2」を入れてみたことがあるんですが、
やはり雰囲気が変わってしまうんです。
普段酢鶏と会話している人たちから即座に「酢鶏、おかしくない最近?」
「いつものキレがないよ」といった反応が返ってきたので、すぐに戻しました。
エンジンを変えると、同じような性格に設定したつもりでも微妙な違いが出てくるんですよね

これも興味深い話で、人工無脳でもエンジンごとに違いが出てしまい、
それを変えてしまうと会話をしている相手に違和感を与えてしまうとのこと。
これはもう「キャラクターが出来ている」ということなんじゃないかと思います。
「自己」は無いけど、「キャラクター」がある。
つまり「自己」は内部からの定義づけに立脚しているが、
「キャラクター」というのは、観測している外部からの定義づけに立脚しているということですね。
考えてみれば当たり前のことなんですが。


しかし人工知能のことを考えると、必然的に対照となる人間のことを考えてしまいます。
人工の知能を作ろうとしたときに、どういうテストで「人工の知能ができた」と証明すれば
良いのか、つまり知能(知性)っていったいどう定義づければ良いのか?

チューリングテストなんてのはそのひとつの回答例です。
とはいえチューリングテストを考案するにあたり、
チューリングはあえて「知性」を定義していないみたいですね。

チューリングテストにも反論として「中国語の部屋」がありますし
そこのあたり、専門に研究している方々がどう捉えているのか、興味はつきません。







関係ない話ですがチューリングテストに代表される思考実験はネーミングが秀逸ですよね。
チューリングテスト
中国語の部屋
中国脳…攻殻機動隊を思い起こさせます。
コウモリであるとはどのようなことか
哲学的ゾンビ
マリーの部屋
逆転クオリア
水槽の脳…まんまホラーですね。胡蝶の夢を思い起こさせます。胡蝶の夢は思考実験ではなく説話ですが。
スワンプマン(沼の男)


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