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産総研、衣類のようにフレキシブルなトランジスタを開発(追記)

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産総研、衣類のようにフレキシブルなトランジスタを開発

AIST_soft-electro-device_image.jpg

産業技術総合研究所(産総研)は、衣類のように柔らかく、さまざまな負荷
(伸縮、曲げ、ねじり、圧縮、衝撃)をかけても壊れないトランジスタを開発したと発表しています。


このトランジスタは、金属や酸化物のような硬い材料を一切使用せず、
単層カーボンナノチューブ(単層CNT)、ゴム、ゲルといった柔らかい炭素系材料だけで構成されるため、
負荷をかけると全ての部材が一体化して変形するとのこと。

衣類のように柔らかな電子デバイスができれば、人体にそれほどストレスを与えないで、
普段の生活の中で脈拍や不整脈の有無、皮膚温などの健康状態を計測できるようになります。
しかし、従来の電子デバイスは、金属、酸化物、合金などの硬い材料を使用するため、
柔軟さと丈夫さとを兼ね備えたデバイスの実現は困難だったとしています。

産総研では、ネットワーク構造を形成する単層CNTの伸縮性に着目し、
導電性単層CNTゴム複合材料や高精度な成形加工が可能なCNTゴム複合材料を開発してきています。
また、単層CNTは金属的性質や半導体的性質を持つため、トランジスタとして機能する
半導体的性質の単層CNTだけを選択的に分離する技術も開発しています。

今回、単層CNTの電気的特性とネットワーク構造を利用して、伸縮性のある
導電性単層CNTゴム複合材料をトランジスタの電極とし、同時にトランジスタのチャネルに
半導体的性質を持つ単層CNTを用いて、柔らかい材料だけからなるトランジスタの開発に取り組んだとのこと。

AIST_soft-electro-device_stracture.png

今回開発したのは、ソース、ドレイン、ゲートに用いる電極に導電性単層CNTゴム複合材料、
チャネルに半導体的性質の単層CNT、絶縁層にイオンゲル、基板にシリコンゴムを用いた
サイドゲート型トランジスタです。
硬い金属や酸化物を一切使わず、全ての部材が衣類に近い柔軟性をもっています。
トランジスタとしての特性は、オン電流は-50µA、オンオフ比は104で、
既報のフレキシブルトランジスタと同等とのこと。

AIST_soft-electro-device_highheeled_image.jpg

開発したトランジスタの構成材料である導電性単層CNTゴム複合材料、イオンゲル、シリコンゴムは、
衣類に近い柔らかさと丈夫さを示しています。
ハイヒールで踏まれる(圧力:約2.5 MPa)前後のトランジスタ特性は、
オン電流、オンオフ比などにほとんど変化がないとのこと。

研究グループは今後、トランジスタだけではなく、柔らかいセンサーやエネルギーデバイスと統合することで、
医療用の人体圧力分布センシングシステムなど、ヒューマンモニタリングシステムの開発を行なうとしています。

将来的には、生体センシングシステムや介護ロボットの皮膚など、
医療用ヒューマンモニタリングエレクトロニクスへの応用も期待されるとしています。

産業総合研究所ニュースリリース
衣類のように柔らかく、しかも丈夫なトランジスタを開発
-ハイヒールで踏んでも洗濯しても壊れない-


関連記事
マイナビニュース:ヒールで踏んでも洗濯しても壊れない頑丈トランジスタ - 産総研が開発
(15/09/04追記)
日経テクノロジーオンライン:産総研がゴム製トランジスタ 「衣服並みに柔らかく、丈夫」

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