シャープ、高感度化とセンサー統合でディスプレイの競争軸を変える
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シャープ、高感度化とセンサー統合でディスプレイの競争軸を変える

シャープは、液晶パネルにタッチセンサーを一体化したインセル型タッチパネルの生産に着手するとともに、
その他のセンサーを統合したディスプレイを開発していくと発表しています。
同社 代表取締役 専務執行役員 デバイスビジネスグループ担当の方志教和氏は、
10日に開催された報道関係者向けの説明会において、
「ディスプレイの競争軸は、従来の高精細化、狭額縁化、低消費電力化から、デザイン性や環境性能、
ユーザーインターフェイス(UI)の革新といった方向に変化していく」とした上で、
小型、中型、大型のサイズを問わず同じようにタッチ入力が行える環境として
「フリードローイング」というコンセプトを追及していくと語ったそうです。

5インチのインセルタッチパネルディスプレイ。IGZOで解像度は1920×1080ピクセル

5.7インチのインセルタッチパネルディスプレイ。LTPSで解像度は2560×1440ピクセル
スマートフォンやタブレットでは静電容量方式、車載器などでは抵抗膜方式や静電容量方式、
電子黒板などではIR方式やカメラ方式といったように、用途に応じて異なる方式が採用されてきています。
それぞれの方式にはメリットとデメリットが存在しますが、シャープでは感度が低下するとされていた
インセル型タッチパネルの高感度化を実現することで、従来よりも幅広いシーンでの利用を期待しているようです。

細い線や毛筆といった表現が可能
同社では、高感度化を実現することで、鉛筆のような細いペン先を検知したり、接触面積を検知することで
毛筆入力を実現したり、厚い板越しや手袋をつけた状態での入力に対応したりできるとしています。
インセル型のパネルは、2015年度中にもスマートフォンやタブレットに採用された後、
2016年度から中型・大型のデバイスにも適用範囲を広げていく計画との事。
また、シャープでは「Free Form Display」(FFD)として様々な形状のディスプレイを発表していますが、
こうしたディスプレイにセンサー技術を統合することで、新たな価値を提案していくとしています。
例えば、AQUOS CRYSTALのようなフレームレスディスプレイの外周にタッチセンサーを統合することで
「フレームレスUI」を実現したり、円形ディスプレイにフリーフォームのタッチセンサーを統合することで
「円形UI」を実現したりすることが想定されているそうです。

フレームレスUI。エッジ部分にセンサーが組み込まれている

円形UIの提案。各種IoTデバイスでの応用が期待される

アーチ型UI(エッジUI)の提案。フレームレスUIを自動車に応用し、
エッジ部分をなぞることでエアコンの温度調整を行うイメージ
スマートフォン向けのインセルパネルよりもむしろこちらの産業用途や車載向けのパネルが
注目を集めていたようです。
同社ではこのほか、NFCのアンテナを透明化することでディスプレイ前面にカードリーダー機能を
搭載したディスプレイも披露しています。

透明なNFCアンテナを利用したカードリーダー機能搭載ディスプレイ
テレビやパソコンのモニターでのログイン操作や自動販売機での購入動作、カードを置くだけで
認証して利用可能となるテーブル型ディスプレイ、タブレットの上に置いたキャラクターグッズが
内容に反映されるゲームなどのアイデアが紹介されたそうです。
今後はさらに様々なセンサーをディスプレイに統合していくとしています。

大型のテレビや電子黒板でもスマートフォン同様の操作が可能だが、
大きな画面を生かして複数ユーザーによる同時入力の面白さが提案されていた
これらはすべて独自のコントローラーICを用いたタッチパネル高感度化技術がベースとなっているそうです。
シャープの方式は1回で全画面の信号を検知し、検知感度は約8倍に高めているとの事。
高感度化はインセルの画面対応サイズにも関係しており、競合他社の技術が現段階でWQHD画質で
7型程度にとどまっていますが、シャープはFHDの4倍の4K画質で17型まで対応でき、
16年度初頭から中型パネルでインセル対応品を出していくとしています。
またIGZOはLTPSより低コストでノイズ発生が少なく、中・大型サイズまで量産可能で
従来、解像度で劣るとされた点は解消済みでLTPSの優位性は薄れるとしています。
「インセル型IGZO液晶は、インセル型LTPS液晶より5-10%低コスト」(シャープ技術員)との事。
方志氏によれば、ディスプレイデバイス事業統轄部門の再編に加え、電子デバイス事業統轄部門との
連携を強化することで、こうした取り組みを加速させていくとの事。
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その他のセンサーを統合したディスプレイを開発していくと発表しています。
同社 代表取締役 専務執行役員 デバイスビジネスグループ担当の方志教和氏は、
10日に開催された報道関係者向けの説明会において、
「ディスプレイの競争軸は、従来の高精細化、狭額縁化、低消費電力化から、デザイン性や環境性能、
ユーザーインターフェイス(UI)の革新といった方向に変化していく」とした上で、
小型、中型、大型のサイズを問わず同じようにタッチ入力が行える環境として
「フリードローイング」というコンセプトを追及していくと語ったそうです。

5インチのインセルタッチパネルディスプレイ。IGZOで解像度は1920×1080ピクセル

5.7インチのインセルタッチパネルディスプレイ。LTPSで解像度は2560×1440ピクセル
スマートフォンやタブレットでは静電容量方式、車載器などでは抵抗膜方式や静電容量方式、
電子黒板などではIR方式やカメラ方式といったように、用途に応じて異なる方式が採用されてきています。
それぞれの方式にはメリットとデメリットが存在しますが、シャープでは感度が低下するとされていた
インセル型タッチパネルの高感度化を実現することで、従来よりも幅広いシーンでの利用を期待しているようです。


細い線や毛筆といった表現が可能
同社では、高感度化を実現することで、鉛筆のような細いペン先を検知したり、接触面積を検知することで
毛筆入力を実現したり、厚い板越しや手袋をつけた状態での入力に対応したりできるとしています。
インセル型のパネルは、2015年度中にもスマートフォンやタブレットに採用された後、
2016年度から中型・大型のデバイスにも適用範囲を広げていく計画との事。
また、シャープでは「Free Form Display」(FFD)として様々な形状のディスプレイを発表していますが、
こうしたディスプレイにセンサー技術を統合することで、新たな価値を提案していくとしています。
例えば、AQUOS CRYSTALのようなフレームレスディスプレイの外周にタッチセンサーを統合することで
「フレームレスUI」を実現したり、円形ディスプレイにフリーフォームのタッチセンサーを統合することで
「円形UI」を実現したりすることが想定されているそうです。


フレームレスUI。エッジ部分にセンサーが組み込まれている


円形UIの提案。各種IoTデバイスでの応用が期待される


アーチ型UI(エッジUI)の提案。フレームレスUIを自動車に応用し、
エッジ部分をなぞることでエアコンの温度調整を行うイメージ
スマートフォン向けのインセルパネルよりもむしろこちらの産業用途や車載向けのパネルが
注目を集めていたようです。
同社ではこのほか、NFCのアンテナを透明化することでディスプレイ前面にカードリーダー機能を
搭載したディスプレイも披露しています。


透明なNFCアンテナを利用したカードリーダー機能搭載ディスプレイ
テレビやパソコンのモニターでのログイン操作や自動販売機での購入動作、カードを置くだけで
認証して利用可能となるテーブル型ディスプレイ、タブレットの上に置いたキャラクターグッズが
内容に反映されるゲームなどのアイデアが紹介されたそうです。
今後はさらに様々なセンサーをディスプレイに統合していくとしています。


大型のテレビや電子黒板でもスマートフォン同様の操作が可能だが、
大きな画面を生かして複数ユーザーによる同時入力の面白さが提案されていた
これらはすべて独自のコントローラーICを用いたタッチパネル高感度化技術がベースとなっているそうです。
シャープの方式は1回で全画面の信号を検知し、検知感度は約8倍に高めているとの事。
高感度化はインセルの画面対応サイズにも関係しており、競合他社の技術が現段階でWQHD画質で
7型程度にとどまっていますが、シャープはFHDの4倍の4K画質で17型まで対応でき、
16年度初頭から中型パネルでインセル対応品を出していくとしています。
またIGZOはLTPSより低コストでノイズ発生が少なく、中・大型サイズまで量産可能で
従来、解像度で劣るとされた点は解消済みでLTPSの優位性は薄れるとしています。
「インセル型IGZO液晶は、インセル型LTPS液晶より5-10%低コスト」(シャープ技術員)との事。
方志氏によれば、ディスプレイデバイス事業統轄部門の再編に加え、電子デバイス事業統轄部門との
連携を強化することで、こうした取り組みを加速させていくとの事。
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