日本勢がリードする「炭素繊維」 燃料電池車など活用拡大 中韓参入で競争激化

ITmedia(SankeiBiz)
日本勢がリードする「炭素繊維」 燃料電池車など活用拡大 中韓参入で競争激化

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トヨタの新型燃料電池自動車「MIRAI(ミライ)」

炭素繊維」を使った材料や部品の開発・普及が進んでいます。
燃料電池車の発売などを追い風に、軽量化による燃費向上の利点を生かし、
従来は鉄だった一部構造部品にも採用されています。
世界シェアの7割を占める日本企業3社は、耐熱性など技術開発を進めて活用領域を広げ、
中国などの新興勢力に対するリードを広げるとしています。


東レの日覚昭広社長は「やっと(自動車の)構造部品に採用されるレベルまで持ってこられた」と、
トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI(ミライ)」に炭素繊維と樹脂の複合材料が使われた意義を強調しています。

炭素繊維は軽量化による省エネが求められる航空機などで採用が進んでおり、
高級車の一部部品にも使われていますが、部品への成形時間の長さやコストが課題で
量産車の構造部品にはこれまで適していませんでした。

Toyota_mirai_carbon_component_image.jpg

ミライは、水素と酸素を反応させて電気を起こす燃料電池スタックを載せる床部分「スタックフレーム」など3カ所で、
東レとトヨタが共同開発した炭素繊維部品を採用しています。
構造部品のスタックフレームは、熱で軟化する樹脂を使った熱可塑性炭素繊維複合材料(熱可塑CFRP)に
代えることで、成形時間を大幅に短縮。
これにより量産が可能になった上、走行時に石などが飛んでも耐えられる強度を備えながら
重量を約3キロに抑えています。

また、安全性や強度、軽量化が求められる高圧水素タンクと、燃料電池スタックの基板材料にも
炭素繊維材料が採用されています。
東レは、今春に買収した米炭素繊維製メーカー、ゾルテックの生産能力を2020年までに
倍増させることも検討しているとの事。

一方、帝人は、耐熱性を向上し320度の環境でも使用できる炭素繊維複合材料を開発しています。
従来品は300度以上になるとゴム状の柔らかな状態に変化してしまいますが、
分子量などの調整で性質が変わる樹脂を改良。
加熱時と冷却時の伸び縮みによる亀裂などを防ぎ、航空機や自動車などのエンジン周辺部品への
活用を見込んでいます。

炭素繊維は、炭素原子が多く含まれるアクリル繊維などを空気中で200~300度、
無酸素状態で1000~2000度など数回蒸し焼きにし、余分な成分を取り除いて作りますが、
東レ帝人三菱レイヨンの日本企業3社は、焼く温度や時間、無酸素状態の作り方などで
高機能な炭素繊維の生産技術を確立し、世界シェアで海外企業に大きく差を付けています。

一方で、中国や韓国、トルコなどの企業も市場参入を果たし競争が激化しており、
炭素繊維の生産技術では将来的に追い付かれる可能性もありますが、
「樹脂の改良や、部品にする成形技術で新興勢力と差別化を図っていく」
帝人コーポレートコミュニケーション部)考えのようです。

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