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有機ELの高精細化や特性向上、注目技術の発表が相次ぐ IDW2014

日経テクノロジーオンライン
有機ELの高精細化や特性向上、注目技術の発表が相次ぐ
ディスプレー技術者が聞いたIDWの技術発表


IDW2014_logo_image.jpg

ディスプレー国際学会「International Display Workshops」のレポート記事です。
論文数は、プレナリーセッションでの基調講演/招待講演が4件、招待論文103件、口頭発表165件、
ポスター発表217件の合計489件(レイトニュースは119件)で、例年並みの量と質を維持しているとの事。



ベルギーimec、富士フイルム、オランダHolst Centreは共同で、フォトリソグラフィーを用いて
有機ELを塗り分ける新技術を発表しています(論文番号:FMC1-3)。
特殊なフォトレジスト材料と、特別な剥離プロセスを用いて、有機EL材料にダメージを与えることな
くパターニングが可能だとしています。

有機ELのパターニングはドライプロセスで行うそうです。
エッチング時のアノード電極ダメージを避けるために、あらかじめエッジカバーレイヤーと呼ばれる層を
発光部の端を覆うようにパターニングしておき、その開口部よりやや広い領域で
フォトレジストのパターニングを行うことで有機ELのパターンエッジ部分の真下が
ドライエッチングプロセスで多少削られても、アノード電極がダメージを受けることはないとの事です。

この方法でフォトリソグラフィーを3回繰り返せば、3色の有機EL塗り分けが
フォトリソグラフィーの精度で実現できるとの事。
現在はアノード電極開口部から6μm程度の余裕を取って有機EL層をパターニングしていますが、
将来的にはもっと減らせるとしています。
現在、パターニングした有機EL材料の性能や信頼性の評価中とのことです。

メタルマスクが不要になる技術ですので、重ねあわせの精度の向上が期待されます。
メタルマスクメーカーにとっては痛いところですね。

東京工業大学 教授の細野秀雄氏はレイトニュースで、有機ELの特性を飛躍的に高められる可能性を持つ
電子輸送層を、酸化物材料で実現する技術について報告しています(論文番号:OLED2-4L)。
これまで有機ELなどで用いられてきた一般的な有機物の電子輸送層は、キャリア移動度が10-5cm2/Vs程度と
非常に小さく、それがデバイスの性能向上を妨げる要因の1つになっていました。

今回新しく開発した酸化物材料は、仕事関数が3.5eVと十分低く、電子移動度が
約1cm2/Vsと桁違いに大きいものです。
室温で形成できて、化学的にも安定で、表面の平坦性も良好との事。
可視光での透過率も高く、有機ELの電子輸送層としては最適だとしています。
これを電子輸送層として利用した逆構造の有機EL素子も実際に試作しており、
良好な発光特性を確認しているそうです。

学会発表については日本勢の存在感は健在との事で、
これをビジネスに結び付けられるかが肝要ですね。

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