FC2ブログ

分子科研など、有機半導体の「ドーピング」効率を100%に高めることに成功

日刊工業新聞
分子科研など、有機半導体の「ドーピング」効率を100%に高めることに成功

IMS_doping_effect_image3.jpg
ドーピング増感を説明する超格子モデル。青矢印で示した電子移動がH2Pcのドーピング効率(イオン化率)を
10%から100%まで引き上げる。

分子科学研究所平本昌宏教授、科学技術振興機構JST)の新村祐介研究員のグループは、
有機半導体に不純物を微量加える操作「ドーピング」の効率を100%に高めることに成功したと発表しています。
高性能な有機太陽電池や有機デバイスの実現につながるとの事。


同グループは、有機半導体の共蒸着膜でドーピング効率が100%に達することを発見し、
本現象を「ドーピング増感効果」と命名しています。
加えた不純物のすべてが電子を発生し、無機半導体と同じ効率100%でドーピングができるようになったとの事。

研究グループは、典型的な有機半導体として、フラーレン(C60)と無金属フタロシアニン(H2Pc)から成る
共蒸着膜(C60:H2Pc)に、ドナー性ドーパント分子(Cs2CO3)をドーピングした系について、
ケルビンバンドマッピング法によって発生した電子数を測定しています。

IMS_doping_effect_image1.jpg
図1 ドーピング効率とドナードーピング濃度との関係

IMS_doping_effect_image2.jpg
図2 ドーピング効率とC60:H2Pc共蒸着膜のH2Pc比率との関係

結果、H2Pc比率99%までドーピング効率は増え続け、97%に達することを確認し
共蒸着膜にドーピングすることでドーピング効率が増大する、「ドーピング増感効果」が
起こっていることが明白になったとしています。

無機半導体は、ドーピングによって自由自在にn型化、およびp型化することができ、
加えた不純物の個数と同じ個数の電子が発生すること、すなわち、
ドーピング効率が100%であることが知られています。
一方、有機半導体のドーピング効率は従来10%以下で、仮に不純物を10個加えても、
1個にしか電子を発生させることができませんでした。

分子科学研究所プレスリリース
有機半導体のドーピング効率を100%にできる「ドーピング増感効果」を発見
― 高性能有機太陽電池や有機デバイス実現の基礎技術を確立 ― (平本グループ)


当ブログ関連記事
慶大、カゴ状シリコンの単分子膜を開発
物材機構、樹脂と密着・曲げに強い配線材料を開発
東工大、高分子1本鎖からの電界発光の観測に成功
岡山大、低分子材料で世界最高レベルの移動度を実現したTFT開発

   
関連記事
スポンサーサイト



この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

miyabi

  • Author:miyabi
  • 2013/1よりディスプレイ周りの技術情報を掲載。

    Twitter @deep2black
カレンダー
10 | 2020/11 | 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
最近の記事
タグリスト
カテゴリー
アーカイブ
リンク
人気記事
ブログ内検索
関連書籍
RSSフィード
Twitter