FC2ブログ

帝人、高効率太陽電池向け新材料「ナノグラムシリコンペースト」開発

産経ニュース
塗るだけで太陽電池の発電効率アップ!帝人が開発した“魔法のペースト”

teijin_nanogram_Si_paste_image.jpg

帝人が開発した高効率太陽電池向け新材料「ナノグラムシリコンペースト」(右下)と、
同材料を使って作った太陽電池

帝人は液体状の材料「NanoGram(ナノグラム)シリコンペースト」とその加工技術を
応用物理学会で学術発表しています。


同社が開発したのは「L-BSF(ローカルバックサーフェスフィールド)型」と呼ばれる次世代の太陽電池の製造手法で
太陽光を受けるシリコンウエハー(基板)の裏面に、電気を効率的に集める
リンやホウ素などの元素を含んだ層(不純物拡散層)をつくる仕組みです。

この層を線状など部分的に塗布することで、
「エネルギーを持った電子を電極に効率的に引き出す『じょうろの注ぎ口』が基板内部にでき、
失う電子が少なくなる」(城尚志・電子新材料事業推進班長)としています。

帝人は、この層の形成に直径20nmの超微細粒子を液体状に加工したナノグラムシリコンペーストを活用しており
22年に子会社化した米ベンチャー企業、ナノグラム・コーポレーションの技術を使い、
リンなどを製造段階で超微細粒子に内包させているそうです。

L-BSF型は従来、部分的にリンなどを熱で注入するのに基板の表面加工などが必要でしたが、
液体状のためスクリーン(孔版)印刷で塗布し、レーザーを照射する簡単な加工で製造を可能にしたのが特徴です。
その結果、太陽光から電気エネルギーへの変換効率は現在の汎用品の18%程度から20.5%まで向上し
同社の手法により5-6%%コストを抑制できるとしています。

帝人によると、市場では変換効率が23-24%のIBC型などの開発も進むが、32年の発電容量は7760MWに留まる
一方で、L-BSF型など裏面に層を作る太陽電池が32年に発電容量が現行の10倍になる45000MWを超え、
主流になる見込みとしています。
汎用品の生産ラインが活用できる上、
「製造が簡単なL-BSF型が現行の汎用品を置き換えていく構図になる」(同社)との事。

帝人はすでにこの手法でドイツの研究機関、フラウンホーファーISEと6インチ四方のL-BSF型の
太陽電池を共同開発し、変換効率の向上を実証しており
ほかの国内外の太陽電池メーカーとも共同開発を進め、29年に商用販売を始める計画としています。

帝人は従来太陽電池パネルの裏面を保護するバックシートなどを生産してきましたが、
今回の成果を契機にナノグラム社と取り組むプリンタブルエレクトロニクス分野の開発を加速する方針です。
ナノグラムシリコンペーストを中核材料として、柔軟に変形するフレキシブルディスプレーなどへの使用が
想定される半導体分野でも生かしていく考えとの事。

城氏は「L-BSF型の製造手法としては最適なものができたので、メーカーに提案していきたい。
ナノグラムシリコンペーストは太陽電池以外にも用途を広げ、早期に100億円の売り上げを目指す」と述べています。

関連記事
日経テクノロジーオンライン:帝人、高効率太陽電池に有効な「プリンタブルエレクトロニクス材料」開発

当ブログ関連記事
フレキシブルデバイス世界市場、2020年に5,271億円規模に―富士経済
日本ケミコン、色素増感太陽電池向け透明電極膜を量産
東芝三菱電機産業システム、透明導電膜用mistCVD装置を販売開始

  
関連記事
スポンサーサイト



この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

miyabi

  • Author:miyabi
  • 2013/1よりディスプレイ周りの技術情報を掲載。

    Twitter @deep2black
カレンダー
07 | 2020/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最近の記事
タグリスト
カテゴリー
アーカイブ
リンク
人気記事
ブログ内検索
関連書籍
RSSフィード
Twitter