カネカ,寿命5万時間の有機EL照明を発売
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カネカ,寿命5万時間の有機EL照明を発売

2011年ミラノ・サローネでの同社有機EL照明の展示(カネカHPより)
カネカは、業界トップとなる約5万時間の寿命と色変化の小さい有機EL照明デバイスを開発したと発表しています。
既に複数の顧客にサンプルを供試し、本年9月より販売を開始したとの事。
一般的なLED照明の推定寿命は,全光束が初期の70%となるまでの時間で表され、約4万時間と言われており
これに対してこれまでの同社の有機EL照明デバイスは推定寿命が初期輝度3000cd/㎡で約1万7千時間だったそうです。
同社は今回、有機EL照明デバイスの劣化のメカニズムを精査し、デバイス構造や製膜条件を最適化することにより、
初期輝度3000cd/㎡で寿命が約5万時間の長寿命化に成功したとしています。
これは有機EL照明デバイスにおいて世界最高水準の寿命となるものとの事。
今回開発に成功したデバイスの改良ポイントは、白色を構成する数種類の異なる波長の発光層(一般的にはRGB)の
劣化挙動に着目し、材料や積層構成などのデバイス構造や厚みなどの製膜条件を最適化することにより、
各発光層の経時劣化(劣化速度)を大幅に改善し長寿命化を行なった点にあるとしています。
その結果、長寿命化の実現と同時に有機EL照明の他の課題であった長時間点灯使用したときの色変化
(相関色温度)も大幅に改善したとの事です。
今回のデバイスは相関色温度3000Kであり,5万時間点灯使用時の相関色温度の経時変化量を
200K以内に抑制したとしており、この変化量は同社従来品を1万7千時間点灯したときの変化量の40%以内との事。
同社は昨年4月に有機EL照明デバイスを製造している100%子会社であるOLED青森に
有機材料の真空蒸着工程において新たに面蒸着技術を取り入れた量産実証設備を稼働させており
今回開発したデバイスを含めた量産供給体制を確立しているとしています。
同社は今後、今回開発に成功したデバイスを美術館・博物館、レストランなどの商業店舗、
ホテルや病室用照明、高級住宅用のデザイン照明など、有機EL照明の特徴が生きる国内および欧米の市場へ
積極的に販促展開することにより、事業展開を加速させ、2020年には売上500億円を目指すとしています。
以前報じられていたOLED青森で生産を行っている製品になります。
大幅に寿命を延ばすことに成功しているようです。
同社の製品は九州国立博物館や京都国立博物館での採用実績があるようです。
博物館以外の商業施設へも参入できてくると販売先の裾野が広がると思いますが
面蒸着方式の採用でコストが下げられているのかといった点が気になりますね。
寿命の問題の解決に目途がついているのであればあとは価格での競争になってくるのではないかと思います。
カネカニュースリリース
世界最高水準の寿命約5万時間と色変化の少ない有機EL照明デバイスを販売開始
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カネカ、青森に有機ELの実証設備 照明用パネル量産へ
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カネカは、業界トップとなる約5万時間の寿命と色変化の小さい有機EL照明デバイスを開発したと発表しています。
既に複数の顧客にサンプルを供試し、本年9月より販売を開始したとの事。
一般的なLED照明の推定寿命は,全光束が初期の70%となるまでの時間で表され、約4万時間と言われており
これに対してこれまでの同社の有機EL照明デバイスは推定寿命が初期輝度3000cd/㎡で約1万7千時間だったそうです。
同社は今回、有機EL照明デバイスの劣化のメカニズムを精査し、デバイス構造や製膜条件を最適化することにより、
初期輝度3000cd/㎡で寿命が約5万時間の長寿命化に成功したとしています。
これは有機EL照明デバイスにおいて世界最高水準の寿命となるものとの事。
今回開発に成功したデバイスの改良ポイントは、白色を構成する数種類の異なる波長の発光層(一般的にはRGB)の
劣化挙動に着目し、材料や積層構成などのデバイス構造や厚みなどの製膜条件を最適化することにより、
各発光層の経時劣化(劣化速度)を大幅に改善し長寿命化を行なった点にあるとしています。
その結果、長寿命化の実現と同時に有機EL照明の他の課題であった長時間点灯使用したときの色変化
(相関色温度)も大幅に改善したとの事です。
今回のデバイスは相関色温度3000Kであり,5万時間点灯使用時の相関色温度の経時変化量を
200K以内に抑制したとしており、この変化量は同社従来品を1万7千時間点灯したときの変化量の40%以内との事。
同社は昨年4月に有機EL照明デバイスを製造している100%子会社であるOLED青森に
有機材料の真空蒸着工程において新たに面蒸着技術を取り入れた量産実証設備を稼働させており
今回開発したデバイスを含めた量産供給体制を確立しているとしています。
同社は今後、今回開発に成功したデバイスを美術館・博物館、レストランなどの商業店舗、
ホテルや病室用照明、高級住宅用のデザイン照明など、有機EL照明の特徴が生きる国内および欧米の市場へ
積極的に販促展開することにより、事業展開を加速させ、2020年には売上500億円を目指すとしています。
以前報じられていたOLED青森で生産を行っている製品になります。
大幅に寿命を延ばすことに成功しているようです。
同社の製品は九州国立博物館や京都国立博物館での採用実績があるようです。
博物館以外の商業施設へも参入できてくると販売先の裾野が広がると思いますが
面蒸着方式の採用でコストが下げられているのかといった点が気になりますね。
寿命の問題の解決に目途がついているのであればあとは価格での競争になってくるのではないかと思います。
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