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フレキシブルデバイス世界市場、2020年に5,271億円規模に―富士経済

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フレキシブルデバイス世界市場、2020年に5,271億円規模に―富士経済

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(LGの透明フレキシブルOLEDディスプレイ)

富士経済は、フレキシブルデバイスと,そのデバイスに使用される部材の市場について調査を行ない、
結果を「2014フレキシブルデバイス関連市場の将来展望」にまとめています。


フレキシブルディスプレイの世界市場
2014年度見込み:270億円⇒2020年見込み:3251億円
内、モバイル端末の2014年度見込み:11億円⇒2020年見込み:2818億円

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(Samsungのフレキシブル有機EL)

フレキシブルディスプレイは液晶、有機EL、電子ペーパーを対象とし、
用途別としてモバイル端末用、ウェアラブル端末用、車載用のディスプレイと、大型ディスプレイに分類。

市場はウェアラブル端末用が先行して拡大し、その後モバイル端末用が拡大するとしています。
車載用や大型ディスプレイは2020年以降の拡大が期待されるとの事。

2013年10月にフレキシブル有機ELディスプレイを搭載したファブレット「GALAXY ROUND」が韓国で、
11月には同「LG G Flex」が韓国と日本で発売され、市場が立ち上がっています。

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Samsungの「GalaxyRound」

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LGの「LG G Flex」

>Samsung・LGのフレキシブルOLED関連記事
>SamsungとLGの曲面スマホ情報
>Samsung、曲面スマホ「Galaxy Round」正式発表─曲面用の新UI搭載。明日発売へ
>au「LG G Flex(LGL23)」ぐにゃりと曲がるP-OLEDに実際に触れてみた!【動画あり】

「LG G Flex」が米、欧州などで販売が予定されていることや「LG G Flex2」も年内に発売されるとみられていますが、
スマートフォンではフレキシブル有機ELディスプレイ搭載による利点が見出しにくいため、
2014年の市場は小規模にとどまると見込んでいます。

>「LG G Flex」の後継機は90°曲がるスマートフォンに─来年発売

2015年以降は、ファブレットやタブレットへのフレキシブル有機ELディスプレイの搭載が進み、
市場は拡大するとみています。6~8インチのディスプレイをフレキシブル有機ELディスプレイにすることで
軽薄化や壊れにくさなどの利点が大きくなり、
軽薄化だけではなく、今後折りたたんだり丸めたりできる技術が発展することで、
さらなる市場の成長が期待できるとしています。

⇒先日発表されたAppleの「Apple Watch」にもフレキシブルディスプレイが搭載されていると見られており、
 デザイン性が重視されるウェアラブル端末への搭載は今後も進んでいくと思われます。
 一方で指摘のようにスマートフォンへの搭載は利点があまり見られず、
 タブレット端末程度の大きさで「折り畳める(foldable)」ことでコンパクトに持ち運べるなどの利点を
 訴求していく製品の登場が期待されます。

>半導体エネルギー研究所とNokiaなど、折り畳める有機ELパネルを開発
>Samsung、折り畳めるタブレットを開発中─早ければ2015年前半に登場か
> Plastic Logicがウエアラブル端末を試作、フレキシブル有機ELディスプレーでウエアラブル端末を試作
>Samsung、5.68インチの折り畳み可能なフレキシブルOLEDを限定公開

車載用は、当面はLCDの採用が大半を占め、フレキシブル化は進展が遅いとみています。
2017年以降フレキシブル有機ELディスプレイの試験導入が始まり、
2020年以降本格的な市場の拡大を予測しています。

⇒車載用は開発期間も長いため、現時点で採用を検討していても製品としての登場は
 2~3年後になると思われます。信頼性の要求も高く、樹脂系基板を用いることによる信頼性の担保を
 いかに行うかがポイントとなってくるのではないでしょうか。
 有機ELでは封止材料の性能向上が期待されると思います。

車載用ディスプレイではEVメーカーのTESLAが積極的に車載ディスプレイを採用しています。

>パナソニック、テスラと米にEV向け電池工場新設へ-他社への供給も視野

大型ディスプレイでは、フレキシブル電子ペーパーの市場が「紙のデジタル化」で多量の紙を使用する
企業や大学で導入され立ち上がっています。
一方、フレキシブル有機ELディスプレイは大型化が難しいことから市場の形成に時間がかかり、
2020年以降に屋内用のデジタルサイネージ向けのサンプル出荷の開始が期待されるとしています。

⇒大型ディスプレイは低消費電力のディスプレイが求められると思われます。
 大型でフレキシブルな製品の市場自体がどこまで立ち上がってくるかが注目されます。

>凸版印刷とPlastic Logicが42型相当の曲げられる電子ペーパーを共同展示、デジタル・サイネージ向け

■フレキシブル電池の世界市場
2014年見込み:僅少⇒2020年予測:58億円
内、フレキシブルリチウムイオン二次電池 2014年見込み:僅少⇒2020年予測:34億円


フレキシブル電池はリチウムイオン二次電池、有機薄膜太陽電池、色素増感太陽電池を対象としています。
2013年、フレキシブル電池の市場は僅少にとどまっており、
有機薄膜太陽電池と色素増感太陽電池はサンプル出荷が中心となり、
フレキシブルリチウムイオン二次電池の本格的な製品化は2014年に持ち越しとなっています。

フレキシブルリチウムイオン二次電池は、軽く、薄く、大面積化が可能、搭載箇所を選ばない、
設置効率が高い、積層搭載可能といった利点があります。
需要が高く、大面積化が活かせる各種産業用や輸送機器、白物家電など大型用途で先行して展開され、
その後に薄型、軽量が活かせるウェアラブル端末などの小型電子機器に採用されるとみているとの事です。

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積水化学のフレキシブルリチウム電池

>積水化、曲がる大容量リチウム電池を来年にも出荷-茨城に設備
>「LG G Flex」が搭載する「曲がった電池」の鮮明な画像が公開
>Nokia、折りたためるバッテリーの特許を出願
>LG、次のモバイルを実現する「カーブド電池」など3種の新型バッテリーを発表
>米アップル、フレキシブルバッテリー特許を申請 ―iWatchに使用か

有機薄膜太陽電池は2014年以降、非系統電源として部分的な発電を担ったり、
系統電力と組み合わせて使うなど、小規模な発電デバイスとして徐々に市場が拡大するとみています。
建材一体型や車載用電力としては、2020年以降本格的に市場が拡大すると予想しているとの事。
特に車載用電力として薄型、軽量である点が評価されているとしています。

>三菱化と大成建設、ビル外壁で太陽光発電-2ミリメートル厚、意匠性保つ

色素増感太陽電池はリジットタイプも含めて商用生産を行っている企業が少なく、
フレキシブル化は有機薄膜太陽電池より遅いとみています。
2016年以降、出力規模の大きい建材一体型が期待されており、徐々に市場が拡大すると予測しています。

■調光フィルムの世界市場
2014年見込み:45億円⇒2020年予測:1491億円

調光フィルムは透明状態から濃い青色やミラー状に変化することで太陽光量を調節するフィルム。
太陽光を制御して省エネルギーに寄与する製品を対象としています。
住宅や公共・商業施設、乗り物の窓に採用すると太陽光量を自在にコントロールできるため、
エアコンなどのエネルギー負荷削減や快適な空間作りを目的に多様な方式のフィルムの開発が進められています。

2013年はメルセデス・ベンツが乗用車「SLK-Class」に調光機能を持ったルーフを搭載しています。
可視光だけでなく近赤外光の透過率も制御し紫外光をカットするSPD方式のフィルムが採用されており、
その他一部航空機、バス、船舶の窓やルーフなどにも採用されており、
2014年は引き続き乗り物向けの需要が増加するとみているとの事。

現在、SPD方式以外のフィルムは開発段階にあり、SPD方式はResearch Frontiersの特許であり、
サプライヤーが少なく価格が高止まりするとみられることから、
2015年以降も高級車向けなど用途が限定されるとしています。
しかし、2018年以降は,サーモクロミック方式やガスクロミック方式などの技術が実用化されることで
コストダウンが図られ、自動車や航空機以外の建築用途へも調光フィルムの需要が広がり、
市場は拡大するとみているそうです。

>産総研、自動車フロントガラス用の調光ミラー開発-透明・鏡状態切り替え
> 【人とくるま展】産総研と住友化学、夏季と冬季で太陽光の入射量を自動調節するシートを開発

フレキシブルデバイスの世界市場
2014年見込み:396億円⇒2020年予測:5271億円

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(コニカミノルタの有機EL照明)

曲げることができるディスプレイ、有機EL照明、電池、触覚センサ、調光フィルムを対象としています。
2013年は触覚センサと調光フィルムが市場の大半を占めています。
その他はサンプル出荷が中心となり、本格的な市場の立ち上がりには至っていません。
2014年は工業、自動車、医療、福祉分野で需要を伸ばしている触覚センサに加え、
ウェアラブル端末用ディスプレイが拡大すると見込んでいます。

有機EL照明は2015年以降、住宅やオフィスの一般照明としての利用はそれほど増加しないものの、
商業施設のデザイン照明や曲面の多い自動車、航空機といった
輸送機器の照明としての需要は高まるとみています。
触覚センサは工業、自動車、医療、福祉分野に加え、2015年以降は新興国のエレクトロニクス産業の成長や
車載センサでの実用化などもあり、さらに需要が拡大するとみているようです。

>【人とくるま展】住友化学、印刷で造れるフレキシブル型の有機EL照明を出展
>コニカミノルタ、曲がる有機EL量産へ-100億円で新工場

フレキシブルデバイスの部材の世界市場
2014年見込み:12億円⇒2020年予測:484億円

2013年の市場は多くの部材でサンプル出荷が中心となり小規模にとどまりましたが、
2014年は12億円が見込まれるとしています。
将来的にはハイバリアフィルム、カバーガラス、有機EL材料の需要が高まるとみているとの事。
また、フレキシブル基板(フィルム)や透明導電性フィルムなど、ロールtoロールによる量産が可能な部材は
コストダウンが図られるため、市場構成比は低下するとみています。
有機ELデバイスの普及によって、有機ELを酸素や湿気から保護する封止材の需要が増加し、
封止材の構成比が高まると予測しているようです。

>コニカミノルタ ハイバリアフィルムを今秋から量産

  
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  • 2013/1よりディスプレイ周りの技術情報を掲載。

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