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シャープ、次世代ディスプレイ「MEMS-IGZO」をサンプル出荷(追記)

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シャープ、次世代ディスプレイ「MEMS-IGZO」をサンプル出荷~時系列によるカラー表示方式

SHARP_MEMS-IGZO_product_demo_image.jpg
太陽光下を想定した環境での表示。写真右がMEMS-IGZO(約2,000cd/平方m)。
左は従来の液晶(約400cd/平方mm)

シャープ株式会社は都内で記者会見を開催し、既存の次世代ディスプレイ「MEMS-IGZO」に関する技術概要、
およびロードマップについて説明しています。

MEMS-IGZOはこれまでの液晶とは原理が異なるディスプレイ技術となります。
液晶ディスプレイは、バックライトの光が液晶で偏光され、カラーフィルタに通してから偏光板を経て、
ユーザーの目に届けられるという方式で、3層以上に及ぶ構造のため、バックライトの光量が低下する問題があります。

SHARP_MEMS-IGZO_stracture_image.jpg
MEMS-IGZOの構造

一方MEMS-IGZOディスプレイは、まずバックライトの光をRGBの順で点灯させ(フィールドシーケンシャル方式)、
画素ごとに用意されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)シャッターが、
バックライト点灯のタイミングに合わせて開閉し、開閉時間の長さによって通す光の量を変えることで
RGBの各階調を調整し、カラー表示を行なう方式となります。

SHARP_MEMS-IGZO_principle_image.jpg
MEMS-IGZOの原理。バックライトがRGBの順で点灯する

SHARP_MEMS-IGZO_backlight_image.jpg
バックライトの光を活かせるため、低消費電力を実現

シャッターの開閉速度は約100μsと非常に高速であり、人間の目には識別できないため1つの色として認識されます。
また、液晶のようにカラーフィルタや偏光板を必要としないため、バックライトの光を活かすことができ、
液晶の2~3倍の光学効率を実現でき、必要な輝度を低消費電力で得られるのが特徴となっています。

SHARP_MEMS-IGZO_colorchart_image.jpg
高色純度と高色再現性を実現

SHARP_MEMS-IGZO_visual_image.jpg
鮮やかなカラー表示を実現

もう1つの特徴は、カラーフィルタの性能に依存しないため、3原色バックライトの活用により、
高色純度と色域再現を実現出来ることです。実測ではNTSC比では120%の色域を実現できるとしています。

SHARP_MEMS-IGZO_lowenergy_image.jpg
コンテンツに応じてMEMSシャッターの速度を変え、消費電力を下げられる

また、シャッターの開閉速度を抑えることによって表示色数(階調)を制限すれば、更に省電力化を実現できるとの事。
例えばモノクロの静止テキスト表示などでは、消費電力が大幅に下がるとしています。

また高輝度化により、太陽光下のような環境でも見やすい明るさ(1,500~2,000cd/平方m)を実現したとしており、
さらにMEMSによるメカニカルな駆動による、-30℃~80℃の幅広い温度環境で動作可能としています。

SHARP_MEMS-IGZO_yonago-plant_image.jpg
既存の工場生産ラインを活用できる

MEMS-IGZOは、現在ある液晶ディスプレイ工場の生産ラインをそのまま活用できるのも特徴で、
実際にサンプルを生産しているのは、2005年6月に設立されたシャープの米子工場との事です。
米子工場は基板サイズが405×515mm(2.5世代)で、中小型液晶の製造をメインとしており、
今後市場のニーズに合わせて、天理、三重、そして亀山にも展開できるとしています。

MEMS-IGZOは、Qualcommの子会社であるPixtronixと共同で開発されています。
PixtronixはMEMSシャッターに関する技術を所有しており、シャープが既存のIGZO-TFT技術に加えて、
量産技術を活用することで、製品化を実現したとの事。

SHARP_MEMS-IGZO_display-trend_image.jpg
ディスプレイの競争軸は変化しつつある

発表会で挨拶したシャープ株式会社 代表取締役 専務執行役員 デバイスビジネスグループ担当の方志教和氏は、
「ディスプレイのこれまでの競争軸は高精細化、狭額縁化だけであったが、
高精細化は眼の網膜を超えても無意味だし、狭額縁化に関しても限界を迎えつつある。
そこで、四角にとらわれない形の異型ディスプレイや、耐環境性能、
ユーザーインターフェイスとなるセンサーの統合など、新たな競争軸が生まれた」と説明しています。

また、
「今回のMEMS-IGZOは省電力性、耐環境性によって、これまでの液晶などでは実現できなかった市場を開拓できる」
と語っています。

今後のロードマップについては、2014年後半から、主にタブレットや車載向けにサンプル出荷を開始し、
高精細化/高視認性を実現するための高性能化も同時に行なうとの事です。
2016年にはスマートフォンやタブレット向けにサンプル出荷、2017年頃には量産を開始するとしています。

共同開発したPixtronixで社長を務めるGreg Heinzinger氏もゲストとして招かれ、
「2社を跨いだ共同開発の中でも、今回のプロジェクトはもっとも成功した例ではないかと思う。
シャープとは昼夜問わず緊密に連携して開発できた。本日ここまで辿りつけたことを嬉しく思う」
と語っています。

関連記事
日経テクノロジーオンライン:シャープ、Qualcomm由来の「MEMS-IGZO」、2017年に量産出荷へ

(14/10/10追記)
engadget:シャープMEMS-IGZOディスプレイ解説。液晶でも有機ELでもない機械式、鮮やかさと温度耐久性が利点

当ブログ関連記事
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  • 2013/1よりディスプレイ周りの技術情報を掲載。

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