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中国 電子機器工場でロボット導入が進まない訳

WSJ
中国 電子機器工場でロボット導入が進まない訳―スマホなど組み立て作業の利益率低く

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中国・重慶にあるペガトロンの工場の様子(出典:The Wall Street Journal)

中国の組み立て工場への自動化ロボット導入についての記事です。


ここ数年で中国の主要都市では、最低賃金が毎年10%超引き上げられてきており
上海では2010年初めに月960元(約1万6000円)だった最低賃金が現在は1820元になっているとの事。
PegatronFoxconnのような受託製造企業は、労働力の増強に苦労していると報じられています。

一方で、作業工程の自動化を進める上では課題も多く、製造業の他のセクターに比べて
電子機器セクターではまだ多くの作業が人間の手で行われていると指摘しています。

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各国別にみた製造業労働者1万人当たりの産業ロボットの数(一番上は世界平均)(出典:WSJ)

中国では依然として、労働集約的で利益率の低い組み立て作業が膨大な量で行われており
これが韓国や日本と比べて国民1人当たりの自動化率で後れを取っている一因だと指摘。

韓国や日本は、メモリーチップや液晶画面のような先進的な電子部品を生産しており、
安定したデザインや利益率の高さが自動化を促してきたとしていますが
中国で行われている電子機器類の組み立て作業の自動化は容易ではありません。
要因として、ロボットの設置コストに見合うだけの規模で製造されない電子機器が多く、
しかも製品モデルが変わるたびにロボットの調整が必要で
中でもスマホやタブレット型端末は数十社がそれぞれ異なる規格で設計しているほか、
在庫にしておける期間も短く、更にスマホのような小型で複雑な機器は
特にロボットでの組み立てが難しいとしています。

それぞれの国での生産品目の内容がこの違いを生んでいると考えられます。
上記のように規格化された部品を製造する場合はロボットの導入が比較的容易ですが
最終製品の組み立てを行う場合はサイズ・構造が異なる製品を取り扱わなければならず、
結局のところ人手での組み立てが一番簡易に多品種に対応できる方法となっていると思われます。

Foxconnなどの受託製造企業は近年の中国の労働賃金の増加を受けて
ロボットによる自動化を積極的に推し進めていこうとしていますが
一方で中国以外の国への組み立て工程の移管がすでに動き始めており
東南アジアやインドが次の拠点として注目されている状況です。

今後中国も日本や韓国のように規格化された部品を自動化を進めながら
製造していくようになっていくのかはまだ分かりませんが、
中国タッチパネルメーカーの隆盛をみるとその萌芽も見られます。

いずれにしても、中国がこれまでのような「世界の工場」としての地位を
確保し続けるのは難しくなっていくのかもしれません。

2012年の動画ですが参考までに。



上記動画でも自動化されているのはガラス基板を取り扱う部品工程のように見受けれられます。


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