FC2ブログ

産総研、有機ケイ素原料(テトラアルコキシシラン)をシリカから一段階で安く合成する手法開発


aist_nedo_Si(OH3)4_from_silica_image1.jpg
砂からの有機ケイ素原料の製造と、有機ケイ素部材を含む多様な製品群

産業技術総合研究所触媒固定化設計チームの安田弘之研究チーム長、崔準哲主任研究員らは、
有機ケイ素の原料(テトラアルコキシシラン)を砂の主成分のシリカから1段階で合成する手法を
開発したと発表しています。


テトラアルコキシシランは、工業的には天然のケイ石(二酸化ケイ素が主成分)を出発原料に、
高温で炭素と反応させ金属ケイ素に還元、これを塩素と反応させた後にアルコールと反応させる方法、
もしくは金属ケイ素を直接アルコールと反応させる方法により製造されていますが、いずれも
金属ケイ素の製造工程を経由するため、エネルギー多消費プロセスとなっており、
コスト高の要因となっていると指摘しています。
一方で、シリカをアルカリ金属水酸化物などの触媒の存在下でジアルキルカーボネートと反応させる方法があり、
金属ケイ素を原料としないためエネルギー効率は有利ですが、比較的高価なジアルキルカーボネートを
シリカに対して少なくとも2倍量使用する必要があり、工業的製法としては経済性に難があったとしています。

同チームは、後者の方法に着目、シリカとアルコールを反応させる上で有機脱水剤、二酸化炭素及び少量の触媒を
共存させることにより、効率良くテトラアルコキシシランが生成することを見出したとしています。

aist_nedo_Si(OH3)4_from_silica_image2.jpg
図1.シリカとメタノールからのテトラメトキシシランの製造

シリカとメタノールの反応系に有機脱水剤としてアセトンジメチルアセタール(アセタール)を添加し、
二酸化炭素加圧下(2MPa)、少量のテトラメトキシチタン及び水酸化カリウムの存在下242℃で反応を行うことにより、
テトラメトキシシランの収率が最高で88%(シリカ基準)に達したとの事です。

aist_nedo_Si(OH3)4_from_silica_image3.jpg
図2.種々の反応条件におけるテトラメトキシシランの収率(シリカ基準)

今後は、有機脱水剤や触媒を改良することで、反応の効率化を検討し、多種材料への適用を検証していくことで
数年後の実用化を目指すとの事です。

NEDOプレスリリース
シリカから有機ケイ素原料を効率的に合成
―砂から直接製造が可能に―


元記事
日刊工業新聞:産総研、有機ケイ素原料をシリカから一段階で安く合成する手法開発


シリコンとシリコーンの科学 (おもしろサイエンス)シリコンとシリコーンの科学 (おもしろサイエンス)
(2013/03/26)


商品詳細を見る


当ブログ関連記事
産総研、自動車フロントガラス用の調光ミラー開発-透明・鏡状態切り替え
産総研、中小のレアメタル事業化を支援-再利用で新組織
産総研、理想的な構造を持つ有機薄膜太陽電池を開発-光電変換効率2.2倍
産総研、PID劣化のないCIGS太陽電池開発



関連記事
スポンサーサイト



この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

miyabi

  • Author:miyabi
  • 2013/1よりディスプレイ周りの技術情報を掲載。

    Twitter @deep2black
カレンダー
07 | 2020/08 | 09
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最近の記事
タグリスト
カテゴリー
アーカイブ
リンク
人気記事
ブログ内検索
関連書籍
RSSフィード
Twitter