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「これが究極の有機EL技術」、九州大学が従来の蛍光分子をリン光並みの効率で発光させることに成功

日経テクノロジーonlineより。
「これが究極の有機EL技術」、九州大学が従来の蛍光分子をリン光並みの効率で発光させることに成功

OPERA_OLED_TADF_spectlum_image.jpg
素子に用いる蛍光発光のドーパント材料と、発光時のスペクトル。

九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)は、
蛍光材料を内部量子効率100%で発光させる有機EL素子を開発したと発表しています。

OPERAがこれまで開発してきた「熱活性化遅延蛍光(TADF)」材料をアシストドーパントとして
従来の蛍光発光有機EL素子の発光層に分散させることで実現しているとの事。
従来のTADFに比べて、より汎用的かつ簡便な手法で材料や素子が作製でき、
しかも素子耐久性が高まるというメリットがあるそうです。
OPERA センター長の安達千波矢氏は、「(外部の技術者などから)有機ELで究極の技術と言われる」と、
開発した技術に自信を示しています。

一般に有機EL素子の発光層には、電流から励起子を作り出すホスト材料と
発光に直接関係するドーパント材料の組み合わせが用いられています。

今回、有機EL素子の発光層に用いたホスト材料は、「従来の有機ELに使われていた汎用的な材料」
(論文の著者である同大学 助教でOPERAの中野谷一氏)。
発光材料(ドーパント)として用いた蛍光材料は、青色発光のTBPe、緑色発光のTTPA、オレンジ発光のTBRb、
赤色発光のDBPなどでやはり汎用的な材料で
そのままでは有機EL発光の外部量子効率は高くても3~4%止まりとなります。

今回はこれらの材料で構成する発光層に、TADF材料をアシストドーパントとして添加しています。
すると、外部量子効率は青色発光で13.4%、緑色発光で15.8%、オレンジ色発光で18.0%、
赤色発光で17.5%にまで向上したとの事。

OPERA_OLED_TADF_mechanism_image.jpg
開発したアシストドーパントと、今回の発光メカニズム。色は単独で発光させた場合の発光色。

今回の技術のインパクトは大きく2つあります。

1つは、材料の設計自由度が高く、しかも素子製造のノウハウの蓄積も大きい蛍光材料の素子が
基本構造となることで、高い発光効率の有機EL素子がより簡便に開発可能になる点。
もう1つは、高い発光効率の有機EL素子の発光寿命が大きく改善すると期待できる点です。
これは、アシストドーパントの役割が、ホスト材料とドーパント材料との間のエネルギー輸送を補助することにあるため。
発光に直接関わるドーパントは電気化学的な安定性が高い蛍光材料のままであることで、
「素子の駆動耐久性が著しく向上する」(九州大学)としています。

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OPERA
OPERA_logo_image.png
http://www.cstf.kyushu-u.ac.jp/~adachilab/opera/index.html

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九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)は、蛍光材料を内部量子効率100%で発光させる有機EL素子を開発したと発表した。OPERAがこれまで開発してきた「熱活性化遅延蛍光(TADF)」材料をアシストドーパントとして従来の蛍光発光有機EL素子の発光層に分散させることで実現した。従来のTADFに比べて、より汎用的かつ簡便な手法で材料や素子が作製でき、しかも素子耐久性が高まるというメリットがある。OPERA センター長の安達千波矢氏は、「(外部の技術者などから)有機ELで究極の技術と言われる」と、開発した技術に自信を示した(関連記事1、関連記事2)。
 一般に有機EL素子の発光層には、電流から励起子を作り出すホスト材料と発光に直接関係するドーパント材料の組み合わせが用いられている。
 今回、有機EL素子の発光層に用いたホスト材料は、「従来の有機ELに使われていた汎用的な材料」(論文の著者である同大学 助教でOPERAの中野谷一氏)。発光材料(ドーパント)として用いた蛍光材料は、青色発光のTBPe、緑色発光のTTPA、オレンジ発光のTBRb、赤色発光のDBPなどでやはり汎用的な材料。そのままでは有機EL発光の外部量子効率は高くても3~4%止まりだった。
 今回はこれらの材料で構成する発光層に、TADF材料をアシストドーパントとして添加した。すると、外部量子効率は青色発光で13.4%、緑色発光で15.8%、オレンジ色発光で18.0%、赤色発光で17.5%にまで向上した。
 今回の技術のインパクトは大きく2つある。1つは、材料の設計自由度が高く、しかも素子製造のノウハウの蓄積も大きい蛍光材料の素子が基本構造となることで、高い発光効率の有機EL素子がより簡便に開発可能になる点。
 もう1つは、高い発光効率の有機EL素子の発光寿命が大きく改善すると期待できる点である。これは、アシストドーパントの役割が、ホスト材料とドーパント材料との間のエネルギー輸送を補助することにあるため。発光に直接関わるドーパントは電気化学的な安定性が高い蛍光材料のままであることで、「素子の駆動耐久性が著しく向上する」(九州大学)とする。


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