日本製鋼所、ガラス基板向け成膜装置事業に参入

日刊工業新聞より。
日本製鋼所、ガラス基板向け成膜装置事業に参入

JSW-AFTY_aftex-6200Ⅱ_image

日本製鋼所は、薄型ディスプレーのガラス基板向け成膜装置の事業化にめどをつけたと発表しています。
年度内に量産装置を完成させるとの事。


後発での事業参入になりますが、競合機に比べ生産性が2倍、成膜時の温度が100℃以上低いという事です。
同装置を含む成膜装置を扱う子会社を2月に設立しており、
3年後に同子会社の売上高を足元から倍増の200億円超にするとしています。

スマートフォンやタブレット端末(携帯型情報端末)、車載ディスプレーといった成長分野に供給を計画しています。
開発した高密度プラズマ発生技術を用いるCVD(化学気相堆積)装置は、
高生産性と低温での薄膜成膜が特徴との事。

同社の固体ソースECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ成膜装置は、
低圧で高密度のECRプラズマ流と、プラズマ流の出口に配置した固体ソース(ターゲット)からの
スパッタ粒子を直接反応させることにより、低温・低ダメージで高品質の薄膜を形成するとしています。

■ECRの原理
JSW-AFTY_ECR_electron_image.jpg
磁界強度87.5mTの磁力線の周りを回転する電子は、
2,45GHzの交流電界で共振し(Electron Cyclotron Resonance、電子サイクロトロン共鳴)、
エネルギーを受け取って高速回転します。
このため、放電が難しい低圧でもガス分子との衝突が起こり、効率よくプラズマが発生するとのこと。

■装置概念図
JSW-AFTY_ECR_principle_image.jpg


上記の特性によりECRプラズマは下記の特性を持ち、
無加熱、低ダメージで緻密、平滑、高品質は薄膜を形成できるとしています。
・無電力、低ガス圧(0.01-0.2Pa)、高密度(5-10mA/cm²)
・基板表面への低エネルギー(10-30eV)大電流のイオン照射効果

JSW-AFTY_ECR_thin-film_charactoristic_image.png

ECRプラズマ成膜装置で成膜した膜の特性例
・SiN膜の水遮断特性
JSW-AFTY_ECR_SiN-film_H20-barrier_charactor_image.jpg
・AI2O2膜の水素バリア特性
JSW-AFTY_ECR_al2o2-film_H2-barrier_charactor_image.jpg

日本製鋼所が100%出資する子会社、JSWアフティ(東京都八王子市)が同装置や、
成膜を補正するALD(原子層堆積法)といった既存成膜装置を製造、販売するそうです。

技術情報(PDF)
ECRプラズマ成膜の原理と特徴
ECR薄膜の物理・化学特性
ECR薄膜の光学特性
ECR薄膜の電気特性
ECR薄膜のバリヤ特性
ECRナノカーボン膜の特性

JSW-AFTY_logo_image.jpg
http://jsw-afty.co.jp/cs/jp

JSWアフティ
NTTと新日鉄の子会社→NTT子会社→三井造船、三井物産エレクトロニクスの子会社
日本製鋼所の子会社と変遷してきているようです。

JSWニュースリリース
IT関連装置ビジネスでの事業拡大について

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日本製鋼所は12日、薄型ディスプレーのガラス基板向け成膜装置の事業化にめどをつけたと発表した。年度内に量産装置を完成させる。後発での事業参入になるが、競合機に比べ生産性が2倍、成膜時の温度が100度C以上低いという。同装置を含む成膜装置を扱う子会社を2月に設立。3年後に同子会社の売上高を足元から倍増の200億円超にする。
 スマートフォンやタブレット端末(携帯型情報端末)、車載ディスプレーといった成長分野に供給する。開発した高密度プラズマ発生技術を用いるCVD(化学気相堆積)装置は、高生産性と低温での薄膜成膜が特徴という。
 日本製鋼所が100%出資する子会社、JSWアフティ(東京都八王子市)が同装置や、成膜を補正するALD(原子層堆積法)といった既存成膜装置を製造、販売する。



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河田 一喜

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